【7⽉10⽇ Peopleʼs Daily】長江(揚子江、Yangtze River)を航行するクルーズ船の「長江三峡1」には排気ガスの匂いもなくエンジン音も聞こえない。同船は1回の充電で150キロの航続が可能な電動船だ。2022年3月に就航して以来の消費電力量は95万キロワット時で、従来型の船と比べると、二酸化炭素排出を750トン以上も削減した計算になる。

 長江の湖北省(Hubei)宜昌市(Yichang)区間では、年間約6万隻の船舶が航行する。この場所で船舶による汚染防止をしっかりと行うことは、長江全体の生態環境を保護する上で重要な意義を持つ。

 貨物船「大洋86」は宜昌臨江坪の投錨地に停泊していた。船内では7日間の航行で3立方メートルの生活汚水が発生していた。李永江(Li Yongjiang)船長は携帯電話を使って汚物の引き取りを申請した。15分後には汚物の回収船が到着した。

 李船長が利用した「浄小宜」というアプリは、宜昌市が設けた船舶汚物の協同管理システムで、船舶と汚物回収船、中継輸送車両、最終処理施設の連動を実現した。宜昌市は船舶側の費用を無料とした。同市交通運輸局の胡朝暉(Hu Zhaohui)局長によると、長江の宜昌区間では寄港する船などが川に投棄する汚物が「ほぼゼロ」の状態になった。

「長江三峡1」は宜昌港三峡観光客センターの埠頭(ふとう)に停泊中だ。陸上からの電力供給を受けている。電池室に入れば、「小さな箱」がずらりと並ぶ。リン酸鉄リチウムイオン電池パックだ。船には4セットの電池モジュールがあり、電気自動車120台分以上の電力を充電できる。

 かつては船内でエンジンを使って発電機を動かしていたので寄港中の船舶による大気汚染や騒音が発生した。そのために、陸地側から船舶に電力を供給するシステムが実用化された。

 宜昌市は長江流域で初めて、停泊船に対する陸上からの電力の100%供給を実現した。該当する航路区間にある埠頭は63か所で、投錨地は2か所だ。これまでに1万4000隻以上に電力を供給した。2023年における電力供給量は700万キロワット時を超える見通しだ。

「長江三峡1」を建造したのは宜昌市内の企業で、運用している湖北三峡旅遊集団の劉軍(Liu Jun)副社長は「300回近く航行しました。延べ28万人の乗客を乗せ、1200万元(約2億4028万円)以上の収入を生み出しました。電動クルーズ船の効果は素晴らしい」と称賛した。同社は新たに電動クルーズ船2隻を発注しており、2023年内に完成の見込みという。

 宜昌市では3月、中国初のグリーンスマート船舶研究開発工作室が設立された。現在のところ、産学研協力プロジェクト6件が契約されている。電動貨物船の建造技術での難関突破には特に力が入れられている。5月18日には投資総額80億元(約1602億円)の宜昌グリーンスマート船舶産業パークの建設が始まり、グリーンスマート船舶の製造および関連する産業チェーンの企業の誘致が行われている。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News