【6月30日 AFP】フランス・パリ郊外で交通取り締まりで停止命令に従わなかった17歳少年、ナエル・Mさんが警察官に射殺された事件で、母親が事件後初のインタビューに応じ、事件は人種差別に基づいたものだと主張した。ただ、警察自体は非難していないという。

 ナエルさんは27日、パリ郊外のナンテール(Nanterre)を運転していたが、無免許だった。交通取り締まりをしていた警察官に停止を命じられたものの無視したため、撃たれ死亡した。撃った警官は殺人罪で訴追されている。

 シングルマザーのムニアさんは、国営テレビ局フランス5(France 5)に対し「警察を責めたりはしない。私が責めるのは1人だけ、息子の命を奪った人間だけだ」と述べた。

「警察官の友人がいる。彼らは全面的に私の味方で、今回の出来事に反発している」

 ムニアさんはナエルさんとナンテールに住んでいた。ムニアさんは医療関係の仕事に従事している。

 ムニアさんは、発砲した警官(38)は他の方法を取れたはずだと主張した。「息子を殺す必要はなかった。弾丸で、あれほど胸の近くに? あり得ない」と涙ながらに語った。

 さらに警官は「アラブ系の顔をした子どもを見て、殺したいと思った」のだと訴えた。

 ムニアさんは29日、ナンテールで行われた抗議デモを先導した。このデモでは参加者と警察が衝突した。(c)AFP