【6月29日 CGTN Japanese】中国航空工業集団が自主開発した2機の気象観測用高空無人航空機「ウミツバメ」が28日に中国気象局に引き渡され、青海チベット高原の南東端での精密気象垂直観測のための初飛行に成功しました。

 北京時間28日午前10時39分、「ウミツバメI型」無人航空機は中国西部の四川省自貢市にある藍田空港を離陸しました。指定空域到着後、精密気象垂直観測ミッションを実行し、6個の観測用機器を投下して、国家レベルの機動的気象観測業務の初飛行を成功させました。

 今回引き渡された「ウミツバメI型」と「ウミツバメⅡ型」無人航空機は航空工業集団が「翼竜」シリーズの無人機をベースとして自主開発したもので、複雑な環境下での作業能力に優れていると共に、気象観測機器の投下システムを搭載して特定の環境下での大気の鉛直方向の検出を持続的に行うことができます。これは気象データの空白を埋め、複雑な環境下での観測データ不足という課題の解決にもつながるとみられます。また、南西部の大きな雲の渦や高原気象、海洋上の台風などの重要な天候の観測や、突発する悪天候への緊急対応、気象災害の予防と軽減、救援などに生の気象データを提供できます。

 今回の引き渡しにより、中国の国家レベルでの機動的気象観測業務が正式に発足し、無人航空機の気象観測分野でのより多くの応用場面が育まれ、気象観測の現代化や、気象災害の予防と軽減への航空力による貢献を後押しすることになるとみられています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News