アップルストア明洞店でアイフォン14を見る市民(c)news1
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【06月28日 KOREA WAVE】ソウル梨泰院(イテウォン)で昨年10月に起きた雑踏事故の犠牲者遺族がこのほど、亡くなった息子が生前に所有していたアイフォンのロック解除を求め、アップルコリアを相手取ってソウル中央地裁に提訴した。携帯電話に記録された子どもの梨泰院訪問の経緯を知りたいという考えだ。

遺族側は訴状で「息子がどう行動し、なぜ亡くなったのかを確認するのが目的」としている。遺族は事故直後、アイフォンへのログインを試みたがロックが解除できず、失敗が繰り返されてアイフォンが無効の状態になっているという。

アップルが開発したiOSは徹底したセキュリティ政策を維持する。6桁のパスワードを解くのに数百万種類があるうえ、パスワードを10回間違えると携帯電話が初期化する。

遺族側は「両親との関係、梨泰院事故による連絡不能、緊迫した状況などを考慮すれば、亡くなった息子は『個人情報の主体』として、両親に死亡関連情報を確認できるよう情報提供を承諾しただろう」と主張している。

また「セウォル号沈没事故(2014年4月16日)など大型災難の時、犠牲者は最後の瞬間、携帯電話で家族に状況を伝え、最後の挨拶をしている」と強調した。

遺族側は、民法によって携帯電話の相続権が自分たちにあるため、息子のアイフォンロック解除請求権も相続されていると主張している。また、韓国にはデジタル遺産を他の遺産と区別する別途の法律がないため、民法に従って相続権を明確にすべきだという立場を取っている。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News