電力が幸せな生活を保障 新疆カシュガル・大同郷
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【7⽉1⽇ Peopleʼs Daily】パミール高原(Pamir Mountains)奥地の山間部である新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)カシュガル地区(Kashgar)タシュクルガン・タジク自治県(Taxkorgan Tajik Autonomous County)大同郷(Datong)はかつて、電力を不安定な水力発電と太陽光発電に頼っていた。しかし2020年に広域送電網に接続されたことで、電力事情は大きく変わった。
「ようこそいらっしゃいました」――民宿を営むサエフナゼルさんは、北京市からやって来た6人にあいさつした。そして冷蔵庫で冷やした自家製ヨーグルトをふるまった。かつては電力が満足に使えないために、宿泊条件が劣悪とされて民宿経営もうまくいかなかったが、状況は一転した。肉も冷蔵保存できるので、自慢の羊肉料理を提供することができる。かつてはほとんどの場合、干し肉を使うしかなかったという。夕食時も暗いろうそくではなく、電気照明を使えるようになった。
客のもてなしが一段落したサエフナゼルさんは、携帯電話を使って日中に撮影した動画素材を動画サイトに投稿した。地元全般や伝統産業の牧畜業も紹介した。予約件数が増えて、多い日には20人も宿泊する。3月末から4月初めまでのわずかな期間に、売上高は2万元(約40万円)ほどに達した。
大同郷では牧畜業と民宿を兼業する家が68世帯に達した。スーパーや飲食店も開業した。電力を利用して地元特産の玉石の一次加工をする工房も次々に出現した。かつてのように原石で出荷するよりも、利幅は格段に大きくなった。2020年には8264元(約16万3697円)だった住民一人当たりの年収は、2022年には1万1910元(約23万5919円)になった。
大同郷中央小学校3年1組では、教師がモニターに表示される文字を説明しながら授業を進めていた。小学校には生徒寮も付設されているが、教室でも寮でも電気暖房を使うようになった。保護者にとっては、かつてのような燃料を燃やすストーブよりも、安心できる。
教師を務める李媛(Li Yuan)さんが同校に赴任したのは2019年だったが、電力を満足に使えない生活にたちまち参ってしまったという。例えば食事の際にも同時に多くの電気炊飯器を使うと停電してしまう。少量ずつしか炊けないので、長い時間を待つ場合もあった。通信状況も悪く、携帯電話の電波を送受信するためには、役場の入り口まで行かねばならなかった。
郷の診療所の1階の事務室では、日が暮れると照明がともる。医師の仕事はまだ続いている。昼間に行った健康診断の結果の整理だ。電力が十分に使えるようになったことで、診療所で使える診察用機器の種類も大幅に増えた。例えば、施設が整った遠方の病院に血液サンプルを送る必要もなくなった。検査の結果は、手書きではなくてパソコンに入力するようになった。効率は大幅に向上した。牧畜業を営む住人が、健康診断に姿を見せないような状況も、大いに減ったという。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News