【6月28日 CNS】火災現場の煙を通り抜け、産業検査分析、リアルタイムでの音声転写・翻訳を行う。最近、多くの機能を備えた拡張現実(AR)グラスが2023中関村フォーラムの展示会に登場した。スタッフによると、このARグラスは、さまざまなソフトウェアとハードウェアを組み合わせ、消防、都市ガバナンス、重訳・翻訳などの分野で多様な役割を果たすことができる。

 展示会の出展者の王海婷(Wang Haiting)さんは、「わが社のARグラスはスマートサーモグラフィと組み合わせている。(消防用)マスクにARレンズを組み込むことで、消防士が濃い煙や霧の火災現場で煙を越え、救助が必要となる生命体を発見し、救助効率を向上させることができる」と述べている。

 消防分野に限らず、このARグラスはクラウドコンピューティングと組み合わせて工場のメンテナンス作業員が潜在的な安全上の問題を素早く発見するのにも役立つ。

 王海婷さんは、「現在、このARハードウェアはいくつかの産業現場や都市デジタルガバナンスにおける実地で活用されている。例えば、このグラスを着用して工場内を歩いていると、グラスのカメラを通じて現場で一つのネジに問題が発生しているのを見つけ、そのデータをクラウド上のビッグデータバックエンドに送信し、データ分析処理を経て、グラスにはラベル付けされた具体的なテキストヒントが表示され、どこに問題が発生しているかが示される。これにより、作業スタッフはこれらの問題の解決のための作業効率を向上できる」と述べている。

 転写・翻訳の分野では、この装置は関連するソフトウェアと組み合わせることで、リアルタイムに収録された音声をテキストに変換し、ARレンズに表示することができる。また、異なる言語間の変換も可能だという。

 王海婷さんは、「このグラスには音声の収集機能があり、収集された音声をテキストに変換してARグラスに表示することができるので、聴覚障害を持つ人びとにとっても役立つ。これにより、AR字幕を表示し、これら障害を持つ人びとがより円滑にコミュニケーションを行うことができるよう支援する」と述べている。

 面と向かってコミュニケーションを取る際、相手が外国人で、しかも自分が理解できない言語である場合、このARハードウェアのレンズ部分を通じ、音声をテキストに記録し、それを中国語の意味として表示できる。これにより、人びとはより良いコミュニケーションが可能になる。(c)CNS/JCM/AFPBB News