北京・故宮が持ち込み禁止リスト発表 大型スーツケースやキックスケーターなど
このニュースをシェア
【6月23日 東方新報】中国を象徴する歴史施設の一つ、北京の故宮博物院(The Palace Museum)は5月15日、新たな持ち込み禁止リストと参観基準を発表した。
持ち込み禁止となるのは、立ち乗り電動二輪車や三輪車、キックスケーター、アウトドア用キャリーカート、キャリーワゴン、大型スーツケースなど。これまでも大型の荷物は故宮(紫禁城、Forbidden City)の専用預かり所に渡すのが規則だったが、知らずに入場する国内外の観光客が多かった。車いすやベビーカーはこれまで通り、そのまま入場できる。
故宮の観光は南側の牛門から入り、北側の神武門から外に出るパターンが多い。故宮では現在、牛門で預かった荷物を神武門まで運び、観光客に返還するサービスを無料で実施している。入場者の多くは遠方からの観光客で、大きな荷物を持っている人が多いため、預かりサービスの充実を図っている。6月30日からは預かり場所を移動し、より便利な形にするという。
故宮博物院故宮世界遺産監測部の斉飛(Qi Fei)氏は、禁止リストについて「故宮の庭園は、石灰の粉末を桐油で練り合わせたパテや小石を使って整備しています。スーツケースやキャリーカートが通ると、車輪が小石を砕いてしまい、庭園の修復が必要となってしまいます」と説明する。
また、今回の参観基準では、故宮内の商業撮影や大型機器の搬入も禁止している。故宮博物院開放管理室の房小妹(Fang Xiaomei)室長は「最近は多くの衣装や小道具を持った撮影チームが自由に故宮内で撮影している。撮影の内容にこだわり、長時間にわたって通路や施設内を使用することも多く、他の観光客の妨げとなっている」と話す。大型機器を持ち込んで移動して門や壁、ガラスに当たるトラブルも避ける狙いがある。
故宮は明王朝と清王朝の宮廷で、現在は観光施設として開放されている。南北の長さ961メートル、東西753メートルの広さで、980あまりの建物で構成されている。
斉氏は「故宮は世界遺産に指定され、中国の伝統建築を今に伝えるものであり、相応の敬意を払ってほしい。床に寝そべる、屋根によじ登る、歌って踊る、テントを張るといったようなマナーのない行動は控えてほしい」と呼びかけている。(c)東方新報/AFPBB News