衛星ナビシステムの北斗が社会と産業を全面支援
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【6⽉27⽇ Peopleʼs Daily】中国全国の北斗(Beidou)衛星測位システムによるナビゲーション機能を備えた最終製品数は現在までに12億台(セット)を超えた。うち営業車両は790万台以上、船舶は4万7000隻以上、幹線速配郵便物用の車両は4万台以上だ。また、中国で開発された北斗高精度測位チップを搭載したシェア自転車は500万台を突破した。
北斗3号グローバル衛星測位システムの供用が2020年に始まって以来、多くの業界分野で大規模応用が実現した。中国衛星測位協会によると、2022年には中国衛星測位・位置サービス産業の生産額は5007億元(約9兆8899億円)に達した。
北斗システムはすでに人びとの日常生活に溶け込んでいる。例えば、ナビゲーションアプリの百度(Baidu)地図と高徳地図(AutoNavi)は測位方法で北斗を優先するようになった。また、北斗システムを用いれば、センチメートル単位の高精度の車両の位置情報をリアルタイムで取得できる。騰訊(テンセント、Tencent)スマート交通副総裁の謝建家(Xie Jianjia)氏は、「北斗衛星測位システムはスマート交通分野で多くの応用があります。自動運転、自動駐車、自動物流などです」と述べた。
防災分野では、北斗を利用した地質災害モニタリングや早期警戒システムが雲南省(Yunnan)や四川省(Sichuan)など10以上の省を監視している。地質上の危険箇所のひずみや亀裂、地下水位などをモニタリングすることで、早期警戒能力が高まった。
電力業界では業界全体で2022年末までに、2000基以上の北斗の地上基地が設けられ、北斗の各種応用端末50万台(セット)を利用してドローンの自主巡回点検、変電施設ロボット巡回点検、送電塔モニタリングなどの業務が実施されている。
中国の多くの地方は、北斗のサービスと従来からの地元経済を結合する応用を推進している。北京・天津(Tianjin)・河北(Hebei)地区では、交通と物流のデジタル化と一体化発展に向けて、「北斗+車+道路」、「北斗+無人配送」の応用モデルを展開することで、道路交通と配送の効率を高めた。粤港澳大湾区(広東・香港・マカオグレーターベイエリア、Guangdong-Hong Kong-Macau Greater Bay Area)では、三峡陽江沙扒洋上風力発電プロジェクト、南三島大橋など多くのプロジェクトで北斗技術の応用により施工効率を高めている。長江デルタ地域では、北斗システムの応用により上海市青浦区(Qingpu)、江蘇省(Jiangsu)蘇州市(Suzhou)呉江区(Wujiang)、浙江省(Zhejiang)嘉興市(Jiaxing)嘉善県(Jiashan)を結ぶ路線バスの越境運行が実現した。北斗の応用推進は各地の経済発展に新たな成長点をもたらしつつある。
専門家からは、「中国では産業のデジタル化モデルチェンジ・アップグレードの推進が加速しており、北斗の役割も当初の時空情報の収集から業界の既存業務との深い結合、新たな業務モデルの構築へと変化している。北斗の市場化、産業化、大規模化の推進に伴い、より広い市場空間が創出される」との指摘が出ている。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News