【6⽉26⽇ Peopleʼs Daily】中国は世界で砂漠化面積が最大で、影響を受ける人口が最多で、風砂による被害が最も深刻な国の一つだ。しかし、2022年末に発表された第6回全国砂漠化・砂地化調査の結果によれば、中国は4観測期連続で土地の砂漠化と砂漠状態の土地の面積の「ダブル縮小」を維持し、初めてすべての観測対象省での「ダブル縮小」を達成した。

 砂漠化は世界が直面する重大な生態問題であり、喫緊の環境問題の一つでもある。中国は長期にわたり砂漠化防止を重要な戦略として一連の措置を推進してきた。中国は山水・林田・湖・草・砂の一体化保護と系統的管理を堅持し強化している。砂漠化防止は際立った成果を上げ、「砂が進み人が退く」から「緑が進み砂が退く」への歴史的転換を実現しただけでなく、生態の保護と民生の改善の好循環も実現した。

 土地の砂漠化は、人的要因と自然の要因が複合作用した結果だ。土地が劣化した地域で人と自然が調和して共生する状態を取り戻すには、科学を大いに活用せねばならない。中国は5年ごとに全国の砂漠関連の調査活動を展開しており、2021年には年次動態モニタリングが新たに追加された。砂漠化や砂地化した土地を動態的に把握し、予防と治療方式を絶えず最適化するためだ。中国は造林、種草改良、防砂治砂、退耕還林還草(耕作地を林や草原に戻す)、アブラツバキの栽培などを推進し続けている。

 砂漠化防止は長期的かつ困難な任務であり、社会全体、特に防止地域にいる人びとが広く参加して共に努力する必要がある。中国の多くの地域で、現地の人びとが長年にわたり防砂を続けてきたのは、堅忍不抜の精神があったほか、よい生態を手に入れることで人びとが豊かになる道を見出したからだ。例えば、砂地地域でのドライフルーツやナッツ類の年間生産量は全国総生産量の約4分の1の4800万トンで、年間総生産額は1200億元(約2兆3703億円)に達した。このことで、約1500万人が貧困脱却を実現した。重点地区の林業や果物による収入は農民の純収入の50%以上を占めている。適度な利用を前提に、「緑と共に繁栄する」を続けてこそ、広範な大衆を砂漠化防止に参加させ、大規模な国土緑化行動を推進することができる。

 根気強い努力を経て、中国は率先して世界範囲内で土地退化の「ゼロ成長」を実現したが、この成果は容易に得られたものではない。また、砂漠化防止は段階的な成果を収めたが、中長期的に見ると依然として難関を克服していかねばならない。

 これまでの成果を固めた上で、保護制度を全面的に実行し、科学技術による支援を強化し、社会全体の力を動員すれば、砂漠化防止の新たな一章を書き続けることができるに違いない。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News