「小修小補」の秩序ある回帰はガバナンスの温度を示す
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【6⽉21⽇ Peopleʼs Daily】生活の中で、ファスナーが壊れたり靴底が不具合になったりすることはある。中国ではそんな時、「小修小補」と呼ばれる、小さな修理屋が便利だ。「小修小補」は、一般庶民と密接に結びついている。また、「小修小補」は個人事業主なので、就業の選択肢を広げている。多くの「小修小補」の職人は、長く仕事を続ける中で、地域住民のネットワークに溶け込んで、困った時に助けてくれる「なじみの隣人」になっていく。「小修小補」の屋台には、地域の人情味が漂っている。
都市の急速な発展に伴い、「小修小補」が営業できる場所は少なくなった。新築のマンションは敷地内に営業場所を確保しない。また、「小修小補」は利益が薄いのでなり手が減った。しかし中国商務部の報道官は2月、「ビジネス分野の『足りないものは補う』の原則に基づき、利便性の高いサービス場所の弱点を補充し、生活の基本を支え生活の質を向上させる業態を改善する。例えば靴の修理や合鍵づくりなどの小さな屋台を規範的かつ秩序立てて庶民の生活に復帰させる」と表明した。「民が求めれば政治が答える」式の細やかで優しい政治の具現化だ。
例えば天津市(Tianjin)は営業場所の借り賃の減免や場所割り当ての優先、その他の政策支援など通じて、「小修小補」などの業態を後押ししている。山西省(Shanxi)太原市(Taiyuan)は市民が重宝する「屋台区」を設置する計画を推進している。広東省(Guangdong)東莞市(Dongguan)では「小修小補」の分布地図が公開された。地図を使えば最も近い店を見つけることができる。中国の多くの地域が的を絞った実務的な措置を打ち出し、「小修小補」が住民の日常生活に戻るように誘導している。
「小修小補」を住民の日常生活に戻すことは、単なる「昨日の再現」ではない。かつてのように道路を勝手に占拠して、さまざまな場所を流浪しながら商売をする方式は、一時的な利便性をもたらすが、交通を妨げ、安全上のリスクをもたらし、都市の景観に悪影響を及ぼす。管理をしっかり行いつつ「小修小補」に場所を提供することが必要だ。一部の地方では屋台が営業する区域を定めて、点字ブロックや、緑地帯、駐車スペースに影響が出ないようにしている。大型商業施設内に「小修小補」用の場所を確保したケースもある。地域の実情に合う適切な方式によって人々をより満足させる努力が続けられている。
都市建設で重要なのは人への配慮だ。中国は都市建設の過程で、人びとの住みやすさを第一に考え、都市化の質を着実に向上させ、より多くの人がより質の高い都市生活を享受できるよう努力している。(c)Peopleʼs Daily /AFPBB News