【6⽉19⽇ Peopleʼs Daily】「コンブの養殖を始めてから1年を通じて仕事ができるようになりました」――中国・福建省(Fujian)泉州市(Quanzhou)のコンブ養殖業者、劉祖華(Liu Zuhua)さんの言葉だ。劉さんによると、以前は休漁期になれば家で暇を持て余していた。現在ではコンブの仕事ができる。かつては数万元(約数百万円)しかなかった世帯の年収は、今では30万元(約590万円)以上だ。コンブ産業は現地の新興産業の柱になった。

 新たなタイプの海洋牧場の従来型の海洋養殖との違いは、新たな科学技術と精密な管理方式を採用していることだ。海洋牧場は海洋生態系を回復させると同時に、漁業の「量」から「質」への転換をもたらし、持続可能で健全な漁業の発展を後押ししている。

 中国の海洋牧場建設は着実に歩を進めている。現在では全国で300以上の海洋牧場が建設された。海洋牧場の経済、生態、社会に対する効果は著しく、環境を保護すると同時に、漁民に増産増収をもたらしてくれる。

 海洋牧場建設の鍵となるのが設備の大規模化、スマート化、標準化だ。山東省(Shandong)煙台市(Yantai)の莱山区漁人ふ頭から海を見下ろすと、海洋牧場複合施設「耕海1号」が、青い海にちりばめられた宝石のネックレスのように見える。施設の一部は観光客に開放されており、多くの人が釣りを楽しむ姿を見ることもできる。

「耕海1号」には、科学技術の成果が多く投入されている。太陽光・風力発電システムは施設の日常的な電力需要を満たすことができる。汚水と汚物は処理された後に環境保護部門が指定した陸上施設に運ばれる。海水淡水化設備は施設の使用3日分に相当する淡水20立方メートルを1日で生産できる。

 山東海洋集団耕海科技(Shangdong Ocean Harvest Corporation)の関係責任者である王官磊(Wang Guanlei)氏によると、海中にある巨大な網箱の中でイシガキダイやマダイなどの高級魚を年間20万尾養殖できる。重量にして約15万キロだ。

 同施設がスマート漁場とされるのは自動給餌、環境モニタリング、船舶衝突防止などのシステムや無人船、水中巡回点検ロボットなどの機器を利用して、養殖の自動化を実現したからだ。例えば、人が施設から退避せねばならない時化(しけ)の際にも、自動給餌システムのおかげで、施設の正常な運営は維持される。

 中国工程院院士の趙春江(Zhao Chunjiang)氏は、「従来型の養殖は土地と水資源の不足、養殖可能な場所の枯渇、水環境汚染などの問題に直面している。スマート漁業の発展は、漁業が精密で効率的なグリーン方式へ、人への過度な依存から機械中心へ、経験頼みからビッグデータ活用へと転換する過程であり、漁業の構造的改革を推進し、漁業のモデルチェンジとアップグレードを加速する重要な手段であり、効果的な道筋だ」と説明した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News