【6月14日 AFP】交流サイト(SNS)フェイスブック(Facebook)を運営する米IT大手メタ(Meta)のチーフAI(人工知能)サイエンティストを務めるヤン・ルカン(Yann LeCun)氏は13日、対話型AI「チャットGPT(ChatGPT)」のような生成AIは既に過去のものだと指摘し、代わりに人に近い合理性を備えた新たなAIを開発すると宣言した。

 ルカン氏は仏パリで、画像ベースの結合埋め込み型予測アーキテクチャー(JEPA)と呼ばれる新たなAIの開発計画を発表。記者団に対し「現在のAIや機械学習は全くもって最悪だ。人には常識があるが、機械にはない」「生成モデルは過去のものだ。私たちはこの技術を捨て、JEPAを採用する」と述べた。

 JEPAは、チャットGPTのような生成AIの限界を打破し、ネット上に存在する情報を反復するだけでなく、抽象的なアイデアの概念化を可能にすることを目指している。

 ルカン氏は「私の予測では、数年後には生成AIの大規模言語モデルは使われなくなり、それに取って代わるより良いものが開発されているだろう」と述べた。

 AI研究の第一人者であるルカン氏は、チャットGPTや画像生成AI「Dalle-E 2」が昨年一般公開されて以来、生成AIをめぐる不安と興奮から、その能力が過大評価されていると批判してきた。(c)AFP