【6⽉16⽇ Peopleʼs Daily】中国・北京市にある国家植物園を歩くと、ヒトツバタゴ、ショウキウツギ、ハナミズキなどの「ニッチな植物」に人気があることが分かる。同園は現在までに各種植物1万7000種余りを収集した。うち絶滅危惧種は約1000種だ。

 2000キロ近く離れた広州市(Guangzhou)の華南国家植物園(South China National Botanical Garden)は2022年以降、植物を1100種以上増やした。園内で栽培される植物は、世界の上位5位に入る1万7500種余りだ。

 中国は最も豊かな生物多様性を備えた国の一つだ。生物多様性は地球を生気あふれる星にするだけでなく、人類の生存と発展の基礎でもある。生物多様性の保護は人類の持続可能な発展を促進することに役立つ。

 中国は生物多様性の保護を国家戦略に位置づけた。生態保護レッドライン制度を実施し、国立公園を主体とする自然保護地体系を確立し、生物多様性保護の重大プロジェクトを実施し、最も厳格な法執行と監督管理を実施するなど、かつてないほど力を入れて生態文明の建設に取り組んでいる。

 中国式現代化は人と自然が調和して共生する現代化だ。自然を尊重し、自然に順応し、自然を保護することは、社会主義現代化国家を全面的に建設する上での内在的要求だ。2021年には雲南省(Yunnan)でのアジアゾウの群れが北上し、再び南に帰る長い旅が、世界の注目を集めた。世界でアジアゾウの数が減少する中、中国ではゾウの群れが拡大を続けている。このことは、中国の生態文明建設と生物多様性の保護を象徴する成果だ。「絶滅危惧種」に指定されていたジャイアントパンダは、1段階良好な「危急種」に変更された。トキは1981年に発見された時にわずか7羽しかいなかったが、9000羽余りに増えた。これらは、中国の生物多様性保護が絶えず新たな成果を収めていることを示している。

 生物多様性の保護を推進するには、社会各界の自覚を高める必要がある。ドキュメンタリー『無窮之路2(No Poverty Land II)』は、最先端を行く改革者、世代を超えたパトロール、献身的なボランティアなどを通じて中国の生態文明建設を紹介した映像作品だ。同作品がネット配信されると、多くの視聴者が感激して「私たちは万物と共に歩む」「地球の発展を持続可能にすることこそが真に貧困をなくす道だ」といった声を寄せた。中国では企業、各種組織、大衆が参加する長期的かつ効果的なメカニズムを構築・健全化し、社会全体が共同で参加する良好な雰囲気を醸成し、国民に生物多様性保護の自覚的な行動を促している。

 しかし中国の生物多様性保護は、依然として多くの課題に直面している。生物多様性の喪失を効果的に逆転させることは、「任重くして道半ば」の事業だ。力を合わせて行動を急がねばならない。生物多様性の管理体系と管理能力の現代化を推進し、自然生態系の状況を改善し、生態製品の供給能力を高め、自然生態系の好循環を実現すれば、人々が望む優美な生態環境を実現できるはずだ。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News