【6⽉15⽇ Peopleʼs Daily】中国・浙江省(Zhejiang)・義烏市(Yiwu)の義烏国際商貿城には店舗が林立し、行き交う人の流れが絶えない。店員と外国人バイヤーの商談も絶えない。義烏は「世界の雑貨の都」だ。233の国と地域と取引があり、毎年56万人以上の外国人バイヤーが訪れる。

「この靴下は適度な厚みがあって春夏秋冬いつでも履けます」――。ネット利用のライブ通販だ。義烏では多くの工場が、浙江中国小商品城集団が開設した「Chinagoods」というプラットフォームを利用して越境ライブ通販を行うようになった。

 このプラットフォームはまた、店舗や産業チェーン上流の210万社の中小零細企業と連携して、デジタル化により取引、契約履行、金融、監督管理などの効率を引き上げた。

 サービス貿易や越境ECなどの新業態の発展が、浙江省が対外開放を拡大する新たな土台になった。浙江省の越境EC輸出入規模は過去5年間で9倍になり、うち輸出は42.6倍になった。今年1―2月には越境ECプラットフォームを通じて実現した浙江省からの輸出額は前年同期比73.2%増で、省全体の輸出額を1.6ポイント押し上げた。

 早朝の義烏西駅で、警笛の音とともに中国製雑貨を満載したスペインのマドリード行きの貨物列車が出発した。かつては義烏からスペインへの貨物輸送は主に海運を利用して45日かかった。中欧班列(中国-欧州貨物列車)の運行開始で、輸送時間は最短で16日に短縮された。

 浙江省寧波市(Ningbo)にある寧波舟山港梅山港区コンテナふ頭では、遠隔操作クレーンと無人コンテナトラックがあわただしく、しかし整然と貨物の積み下ろしを行っている。同港は世界で初めて年間貨物取扱量が10億トンを超えた港だ。国外航路約300本のうち、「一帯一路(Belt and Road)」向け航路は計122本だ。

 2022年の浙江省の物品貿易総額は13.1%増の4兆6800億元(約91兆3148億円)で、輸出入ともに過去最高だった。

「ドイツのお客様に送金中です。10分以内で完了です」――。寧波保税区で酒類を輸入する会社を営む楽健洲(Le Jianzhou)氏によると、以前は海外の顧客への支払いのたびに貿易契約の領収書や通関申告書などを事前準備せねばならず、銀行の審査にも時間がかかった。

 新たな政策により、優良企業と認められれば資料提出が不要になり、インターネットバンキングで取引の決済情報を記入するだけでよくなった。

 浙江省商務庁の関係責任者によると、浙江省の輸出構造は改善され続けており、2022年には輸出に占める機械電機類の割合が44.7%に、ハイテク製品では10.1%に高まった。外資の構造も改善が続き、同省で認可された外資投資企業は計7万7000社に達し、ハイテク産業への外資による投資は実行ベースで48.2%に上昇した。また、中国からの対外投資先も152の国と地域に広がった。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News