【6月14日 Xinhua News】中国西部の重慶市(Chongqing)で、日本のすしが人気を集めている。市内の日本料理店「桃太郎」で食事を楽しんでいた大学生の楊蓉(Yang Rong)さんは「日本料理の中でも特にすしが好き。ネタの種類が豊富で、さまざまな味が楽しめる」と語った。

 日本風のちょうちんや旗が飾られた店内は、夕食の時間前にもかかわらず活気にあふれていた。楊さんは「店は雰囲気が温かくて、値段も手ごろ」だと話す。桃太郎の店長は「近隣の大学に通う学生が大勢来てくれる。口コミで来るお客さんがほとんどだ」と説明する。客層は大学生など若者が多く、平日の来店数は約200人、休日には約400人にもなり、毎月の売り上げは約40万元(1元=約20円)に上るという。

 市内のショッピングモール「新光天地」では、仕事を終えたばかりの会社員、周韵(Zhou Yun)さんが「奈賜」という寿司屋に飛び込んだ。周さんは「店で使われている日本の急須や皿はとても趣がある。すしの盛り付けも美しい。目でも楽しめる」と語った。同店の羅(ら)店長は「お客さんがおなかも心も満たされるよう工夫を凝らしている」と話した。

 重慶で長年、グルメの評論をしているブロガーの包さんは、すしがここ数年、外食市場で人気を集める背景として、健康志向の高まりと独特の美しさを挙げた。さまざまな味が楽しめ、価格帯が幅広いことも消費者の需要に合っているという。

 最近は、地元の食材をネタに取り入れた創作ずしも登場し、話題を呼んでいる。

 四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)南部にある小さなすし店は、ランチの営業が始まると瞬く間に満席となる。週末には大行列ができることも珍しくない。店のスタッフは人気の秘密について、「脳花(豚の脳みそ)」「肥腸(モツ)」「辣椒(唐辛子)」など地元で人気の食材とすしを組み合わせたことにあると語った。

 重慶市南岸区商務委員会の関係責任者によると、すしやすき焼きなどの日本料理は新たな消費のトレンドとなっている。南坪のショッピングモールにある「戯作寿司」は、生活情報サイト「大衆点評」で重慶のすし店ランキング1位を獲得。長江と嘉陵江の合流スポットにある「鮨・天和omakase」も多くのネットユーザーからお気に入りの高級すしレストランとして人気を博している。(c)Xinhua News/AFPBB News