拾われた子の恩返し 育ての祖母との「結婚写真」に感動の声
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【6月17日 CGTN Japanese】中国東南部にある江西省(Jiangxi)新余市(Xinyu)分宜県(Fenyi)の消防士、張佳港さんと祖母の唐才英さんの「結婚写真」が無数の人々を感動させています。
張佳港さんは今年26歳で、祖母に育てられましたが、現在まで、自分の両親が誰なのか分かりません。しかし、祖母は彼の身の上について、「拾われてきた子」であることを隠したことはありませんでした。
1997年のある朝、唐才英さんは病院の入り口で生年月日が書かれたメモが添えられた赤ちゃんを拾い、張佳港と名づけました。命だけでも持ちこたえるまで育てた後、民政機関や条件の良い家に養子に出すつもりでしたが、最後は自分で育てていくことにしました。
唐さんに引き取られた子どもは張佳港一人だけではありません。唐さんは1982年から、合わせて38人の捨て子を救助しました。そのうちの多くは、その後養子縁組家庭に恵まれましたが、体質の弱い子について、唐さんは正式な養子縁組手続きをして、彼らを手元に残して自分で育てました。唐さんと夫は退職金と野菜売り、廃品売りの収入で、自分たちの実の子どもと、養子にした6人の捨て子を育ててきました。
子供たちが相次いで学校に行く年齢になると、唐さん一家の経済的圧力は大きく増えました。それを知った分宜県消防救援隊は2001年から、張佳港さんと姉の張琳さんの学費を全額支援することにしました。その後の十数年間、消防士は幾度となく替わりましたが、姉弟への支援のリレーは2013年に姉の張琳さんの大学卒業と2016年に張佳港さんの高校卒業まで続きました。
2016年、張佳港さんは願いどおり消防士になり、それまで自分を支援してくれた人たちと同僚になりました。「おばあちゃんは私に2回目の命をくれて、消防士たちが3回目の命をくれた」と張さんは語りました。
姉の張琳さんは2019年に結婚しましたが、結婚相手も消防士です。姉夫妻が結婚写真を撮った際、張さんは祖母と祖父にも結婚写真を撮ってあげようと決めました。しかし、撮影当日、祖父が体の具合が悪くなり、撮影ができなかったため、張さんが消防士の制服を着て祖母と一緒に写真を撮りました。
「祖母からたくさんのことを学んだ」と張さんは感無量で、「一番の願いは祖母がいつまでも健康で、自分ができるだけ長くそばにいてあげられることだ」と語っています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News