【6月15日 CNS】海外華商は中国経済の参加者であり、証人でもある。彼らは裸一貫から財を成し、東洋の経営文化を基盤に、国際的なビジネスネットワークを構築し、世界経済の重要な参加者となっている。温州大学(Wenzhou University)商学院の張一力(Zhang Yili)教授は、華商は中国と世界を結びつけ、広い分布と相互の連結を特徴とし、物質交換に有利な条件を提供する密集した「毛細血管」のような存在として、国内外の貿易活動の推進に重要な役割を果たしていると指摘している。

 生活の維持から発展の追求へ、海外華商の起業過程は一般的に四つの段階に分けられる。第1段階は生存型の起業だ。起業は現実に立脚しなければならない。生まれ持っての起業の遺伝子を持つ華商にとって、家族を養うことが一部の起業家の基本的な要求だ。浙江省(Zhejiang)南部地区の多くの華僑華人はヨーロッパに向かい、露天商からスタートし、次第に豊かさを手にした。これは彼らの生計を立てるための手段であり、起業のスタートでもある。

 第2段階は機会型の起業、または孵化型の起業とも呼ばれる。起業の道では、華商は常にチャンスを伺う。例えば、裁縫工は技術を学んだ後、小さな工場を買い取りオーナーになったり、中華料理店の店員が徐々にレストラン経営者になったりする。海外華商は技術の習得にとどまらず、常に自分自身の企業を設立するチャンスを探っている。

 第3段階は参入型の起業だ。この段階では、華商は主流の市場に参入し、事業範囲がより広範囲に及ぶようになる。第4段階は企業内での再起業だ。市場の規模が拡大するにつれ、一部の華商は中国に戻り、工場を開設して第二の創業を行う。

 近年、中国経済は全体的に成長しており、華商企業の中国経済内での割合は縮小しているが、それでもその重要性は無視できない。思想の解放の推進、中国経済の発展の支援、科学技術の自主的なイノベーションの加速の面において、華商は代替できない役割を果たしている。国内外の双循環の新たな発展パターンの構築という背景の下、その重要性は一層高まっている。

 輸出入貿易において、華商は「毛細血管」のような存在だ。広範囲にわたり入り組んでおり、中国の製品やサービスを世界中に運び、海外の商品を中国に輸入する。華商は海外文化に対する理解を持つことで、貿易活動において独特の利点を享受している。

 同時に、華商は国内外民間交流の重要な担い手でもある。華商は二つの世界、文化、制度及び歴史を経験しており、外交交流において独自の利点を持っている。華商は中国文化の生まれ持っての伝播者だ。中国と海外を結びつけ、国内外の人びとの交流と文明の相互交流における「友情の架け橋」となっている。(c)CNS/JCM/AFPBB News