【6月12日 CGTN Japanese】中国工程院(工学科学の最高諮問学術機構)院士で中国有人宇宙飛行プロジェクトの周建平(Zhou Jianping)首席設計師はこのほど、中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ、CMG)の取材に応じて、開発中の中国の次世代有人宇宙船について、繰り返しの使用が可能で、最大で7人が搭乗できると説明しました。

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 中国では宇宙ステーションを完成させた現在、繰り返し使用できる技術を備えた次世代の有人宇宙飛行用打ち上げロケットと有人宇宙船の開発が進められています。周氏によると、中国が開発中の次世代有人宇宙船は、従来通りに先頭部分が丸い形状ですが、3モジュール構造は2モジュール構造に変更され、より安全で経済的になり、部分的な繰り返し使用と主要部分の回収が可能になります。周氏はまた、「今後数年内に、帰還モジュールの繰り返し使用や第1段ロケット回収の技術が飛躍的に進歩すると期待されている。次世代有人宇宙船の内部はさらに大きくなり、最大7人が乗れるほか、より多くの物資を搭載でき、今後の有人宇宙活動の規模拡大や国際協力の展開、新たな有人分野の開拓に有効だ。次世代ロケットは回収できるだけでなく、推進力がより大きく、構造がより良好であるために、ロケットに対する搭載物の割合を増やせる一方で、打ち上げ費用は低減できる。このことで、宇宙への輸送のコストが下がり、宇宙サービスにより大きな可能性がもたらされる」と説明しました。

 周氏はさらに、「中国はすでに有人月面着陸を実現する能力を備えている。長期間をかけなくともプロジェクトの開発作業を完成させることが可能だ。2030年までには中国人宇宙飛行士を月面に送り込み、月面での科学調査活動を展開させた上で、安全に地球に帰還させる任務を実現できる」と述べました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News