【6月12日 AFP】タイの首都バンコク郊外の映画館で10日、同国初のペット同伴可の映画上映が行われ、実写版『リトル・マーメイド(The Little Mermaid)』を見にオーナーたちが数十匹の犬や猫と共に集まった。

 会場には、『リトル・マーメイド』に出て来るキャラクター、カニの「セバスチャン」のコスプレをしたチワワや、主人公「アリエル」をイメージした赤いウィッグと人魚の尾ひれを着けたテリアもいた。

 ペット業界のデータによると、タイのペット市場の規模は中国に次ぎアジア第2位で、飼われている犬の数は2021年時点で830万匹、猫は370万匹だった。新型コロナウイルスの流行の最中に、ペットの数はさらに増加した。

 上映会に保護猫のガティを連れてきた男性(37)はAFPに、「職場にも時々連れて行くので、試しに来てみた」「スクリーンに映し出される魚を見るのを楽しんでくれると思う」と話した。

 ペット同伴上映を企画したメジャー・シネプレックス(Major Cineplex)の広報担当者ナルット・ジアンサノーンさんによると、ペットはおむつ着用と、ケージなどの中に座っていることが求められる。音と光はペット向けに調節されるという。

「バンコクはあまりペットに優しくない街」だとナルットさんはAFPに話した。ペット同伴上映は、子連れ歓迎の映画上映に着想を得た。

「子連れ歓迎の上映では、子どもたちは叫びながら走り回る。ペット同伴も同じだ。客は(犬がほえても)理解してくれる」と説明した。

 ただし、扇風機付きの1.5平方メートルの大きさの犬用カートに入ってやって来た体重62キロのアラスカンマラミュートは、残念ながら大き過ぎるとして入場を断られていた。(c)AFP