【6月12日 Xinhua News】中国のペット関連ビッグデータ・プラットフォーム「Pethadoop」がこのほど発表した「2022年中国ペット産業白書:ペット消費リポート」によると、中国都市部の22年のペット(犬・猫)飼育者数は前年比2・9%増の7043万人だった。米調査会社フロスト&サリバンは、中国のペット飼育数が24年に4億4600万匹になると予測する。

 市場調査会社の艾媒諮詢(iiメディアリサーチ)は、22年の中国ペット産業の規模が25・2%増の4936億元(1元=約20円)だったとし、25年には8144億元になるとの見通しを示した。

 中国ペット市場は数千億元の規模を持つ広大なブルーオーシャン(競合の少ない市場)であり、国内外の企業が相次いで進出し、布石を加速している。

 スイスの食品大手ネスレは07年、中国でペットフード工場を設立。今年4月には天津市で新たなペット用ウエットフード缶詰生産ラインを稼働させ、同ラインで製造した新製品を市場に投入した。

 旺盛な需要の下、国産ブランドも業績を急速に伸ばしている。天津市静海区の元創品智(天津)生物科技では、自動化された2本の生産ラインが猫用缶詰などのペットフードを生産しており、22年9月の生産開始からフル稼働状態が続いている。

 中国のペット産業界では、川上・川下産業の整備も進んでいる。業界関係者によると、主食やスナック、サプリメントなどペットフードの加工・販売、ペット飼育などの川上・川中産業が依然として「ペット経済」の主力となっているものの、薬品や診療、ワクチン、健康診断などのペット医療、入浴や美容、しつけ、里親、保険などの川下産業も活況を呈しつつある。

 ここ数年は農業農村部などもペットの医療、薬品、食品、伝染病予防などに関する管理措置や規範化政策を相次いで打ち出しており、動物用医薬品の生産者、設備、施設、技術、品質管理などに対する要求を高め、中国ペット産業の産業化、大規模化、効率的で健全な発展を後押ししている。

 企業情報サイト「企査査」のデータによると、中国のペット関連企業数は現時点で247万社を超える。新規登録数は21年が79万9500社、22年が97万3600社と急拡大の勢いが続いている。(c)Xinhua News/AFPBB News