【6月10日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2023)は9日、男子シングルス準決勝が行われ、大会第3シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は、試合中に「全身」のけいれんと緊張感に見舞われた第1シードのカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz、スペイン)を6-3、5-7、6-1、6-1で退け、自身7回目の全仏決勝に駒を進めた。

 36歳のジョコビッチは、ここ93年間での最年長記録でローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)の決勝に勝ち進み、男子シングルスで歴代単独1位の四大大会(グランドスラム)通算23勝目を目指す。

 試合は第1セットと第2セットを両者がそれぞれ取り合った後、第3セットもゲームカウント1-1で並ぶ互角の展開だったが、気温33度の暑さの中で、ジョコビッチより16歳年下のアルカラスが優位に立っているかに思われた。

 しかし、ここでアルカラスは右のふくらはぎを押さえた。チェンジエンドのタイミングに加え、けいれんでのメディカルタイムアウトは認められていないため、自身のサービスゲームだった次の第3ゲームを相手に与える形で治療を受けた。

 そして、ブーイングとやじが飛び交う中、グランドスラムで自身45回目の準決勝となったジョコビッチがそこから5ゲームを連取し、セットカウントを2-1でリード。アルカラスは5分間のトイレ休憩でコートを後にしたが、体が限界に達して最後の11ゲームのうち10ゲームを取られてしまい、ジョコビッチがたやすく通算34度目のグランドスラム決勝への扉を開けるのを許した。

 ジョコビッチは、「カルロスにとっては不運だった。けいれんは絶対に避けたい。彼に同情する。早く回復して復帰することを願っている」とコメント。さらに「最後まで戦った彼をリスペクトする。まだ若いからこれから何度でもこういう状況に勝てるだろうと彼にネット際で声をかけた」と明かした。

 2016年と2021年の大会覇者であるジョコビッチは、11日に行われる決勝で昨年大会準優勝のキャスパー・ルード(Casper Ruud、ノルウェー)と対戦する。優勝すれば、グランドスラムの4大会全てで3度以上タイトルを獲得した史上初の男子選手となる。(c)AFP/Dave JAMES