小さな歯ブラシがグリーンシフトで大きな市場を開拓
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【6⽉10⽇ Peopleʼs Daily】「人の住むところに杭集の歯ブラシあり」――。江蘇省(Jiangsu)揚州市(Yangzhou)生態科技新城杭集鎮(Hangji)にある中国歯ブラシ博物館にはこんな言葉が掲示されている。
杭集は人口4万人に満たない小さな街だが、世界の歯ブラシの3本に1本に相当する年間75億本の歯ブラシを生産している。年間生産額は130億元(約2539億円)に達する。
杭集で作られる歯ブラシは、ホテルで使われる使い捨て品が多い。激しい競争の中で価格と数で勝負せざるをえず、一時は1本0.1元(約1.9円)という低価格の泥沼に陥った。しかしチャンスが訪れた。環境配慮が人びとの心に浸透するにつれ、プラスチック製の使い捨て歯ブラシの改良が求められるようになったのだ。杭集の人びとは、グリーンシフトに伴う新たな発展の原動力を模索することになった。
2019年7月1日施行の「上海生活ごみ管理条例」は、「宿泊施設は客室の使い捨て日用品を進んで利用者に提供してはならない」と定め、使い捨て品は「環境保護に有益なものでなければならない」とも明記した。杭集の歯ブラシメーカーはただちに、ブラシ部分を取り外せる使い捨て歯ブラシを開発した。プラスチックブラシの柄は他のプラスチック製品を作るためにリサイクルすることができる。歯ブラシを「2つに分ける」という小さな改良が、分別回収とリサイクルの促進、環境汚染と資源浪費の削減を実現し、企業が発展する可能性をも勝ち取った。
2021年にはアラブ首長国連邦のドバイの多くの高級ホテルで、杭集で作られた環境と美しさを兼ね備えた竹柄の歯ブラシが使われるようになった。竹柄の歯ブラシは簡単に作れるようにも思えるが、素材を選ばないと手触りが悪く折れやすくなる。杭集では豊富な竹資源を活用して適切な生育環境や年齢の竹を探し、滑らかで粘り強さのある柄を生産している。プラスチックを竹で代替したことは、自らの強みを発揮して局面を打開する方策であると同時に、グリーン発展の理念を現実化するための実践でもあった。
杭集には、ナノテクノロジーおよび応用国家工学研究センターと協力して、自然の体系内で100%分解される歯ブラシを10か月かけて開発した創業40年の歯ブラシ工場もある。原料は砂糖生産の際に出る廃棄物のサトウキビの茎だ。この歯ブラシはドイツやスウェーデンなどの歯科医院への進出に成功した。この老舗工場はまさに自主革新によって、新型コロナウイルス感染症などの悪影響を克服して、他社とは異なる高付加価値商品による、発展の新たな道を切り開いた。
杭集では、ますます多くの企業が、グリーン発展の理念を自社独自の発展の原動力に転化すべく積極的に行動している。杭集は、美しい中国を目指して全国民が共に建設し共有することを象徴する街の一つだ。(c)Peopleʼs Daily /AFPBB News