【6月10日 Xinhua News】中国では今年に入り、リアル会場で行うコンサートなどが増え、ライブ・エンタメ市場が力強く回復している。芸能関係の業界団体、中国演出行業協会によると、第1四半期(1~3月)に全国で行われた商業公演は上演回数が前年同期比95・4%増の約7万回、興行収入は49億8千万元(1元=約20円)に達した。うちコンサートと音楽フェスはチケット販売数が110万枚を超え、最も興行収入の多い公演形態となり、観客数は2・4倍の延べ2185万2200人だった。

 夏の到来に合わせ、多くの著名歌手やバンドが相次いでコンサートを開催し、迷笛(MIDI)、ストロベリー、麦田といった大規模な音楽フェスも数多く行われ、リアル会場での音楽公演が熱気を帯びている。

 コンサートはライブ・エンタメ市場を活性化させるだけでなく、宿泊や飲食、交通、展覧会など10以上の周辺産業の消費も促す。中国の電子商取引(EC)大手アリババグループ傘下のオンライン旅行サービス「飛猪旅行(フリギー)」のデータによると、今年の労働節連休期間中(4月29日~5月3日)のコンサートおよびフェス開催地周辺のホテル予約数は前年同時期の20倍以上となり、一部の人気ホテルでは予約が取れない状況だった。公演やアクティビティ、eスポーツ、飲食などの要素を含んだ旅行商品も人気を集め、予約数は2021年の同じ時期の2倍を超えた。 

 ある業界関係者はコンサート市場について、多元化、専門化され、業界の垣根を超えた市場だと指摘。文芸公演やイベントマーケティング、文化クリエーティブ製品・派生商品、芸能人の影響力などを通じて、文化や音楽、観光、パフォーマンス、芸術、スポーツなどの共創(コ・クリエーション)を推進すると述べた。またコンサート市場の回復と発展は、音楽産業の回復につながるだけでなく、関連産業の発展を促し、文化や経済の発展に寄与する重要な役割を果たすとした。 

 ウェルスマネジメント分野のシンクタンク、植信投資研究院の羅奐劼(ら・かんかつ)高級研究員は、政策による支援の強化、消費シーンの増加に伴い、需要がさらに回復して、サービス業が持続的に改善し、消費の急速な拡大や経済データの改善が続くとの見通しを示した。(c)Xinhua News/AFPBB News