【6月9日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2023)は8日、混合ダブルス決勝が行われ、女子ダブルスの試合でボールガールに打球を当てたとして失格となった加藤未唯(Miyu Kato)が、ティム・プッツ(Tim Puetz、ドイツ)とのペアで優勝を果たした。

 加藤/プッツ組はビアンカ・アンドレスク(Bianca Andreescu、カナダ)/マイケル・ビーナス(Michael Venus、ニュージーランド)組を4-6、6-4、10-6で下した。

 加藤は試合後のスピーチで、事前に用意した原稿を読みながら「女子ダブルスで不当に失格となり、ここ数日は精神的に大変だった」と明かしつつ、「温かい応援のメッセージをくれた全ての選手に感謝したい。いただいた前向きなエネルギーをきょうはコートで発揮することができた」とコメント。「今後は賞金とポイント、そして自分の名誉を取り戻せるよう、前向きな提訴の結果が出ることを期待する」と述べた。

 パートナーのプッツは加藤に対し、「この優勝が救いになったらうれしい」と語りかけた。

 加藤はアルディラ・スチアディ(Aldila Sutjiadi、インドネシア)と出場した4日の女子ダブルス3回戦で、優しく打った球がボールガールを直撃。ボールガールが震えて泣き出す中で当初は主審も警告にとどめていたが、対戦相手のマリー・ボウスコバ(Marie Bouzkova、チェコ)/サラ・ソリベストルモ(Sara Sorribes Tormo、スペイン)組が抗議し、大会責任者に見直しを求めた結果、加藤組は失格となった。

 失格により賞金も没収となった加藤は、スピーチの中で「あのボールガールの子が大丈夫なことを願っている。またマリーとサラとも対戦できたらうれしい」と話した。(c)AFP