【6月8日 AFP】赤十字国際委員会(ICRC)は7日、ウクライナ南部ヘルソン(Kherson)州のカホウカ(Kakhovka)水力発電所のダムが決壊したことで、地雷除去作業に重大な支障が生じると警告した。

 赤十字の武器汚染対策部門を率いるエリック・トレフセン(Erik Tollefsen)氏は記者会見で、ダム決壊により地雷の位置特定が困難になったと指摘。「(決壊前は)地雷の位置を把握していたが、今となっては分からない。下流のどこかにあるとしか言えない」と述べた。住民だけでなく救援要員にも影響が及ぶため、大きな懸念要因だとしている。 

 ICRCは数か月にわたってウクライナでの地雷除去を支援。地雷原のマッピングやマーキング、訓練や機材の提供などを行ってきた。同氏は、ダム決壊で対戦車地雷や対人地雷の位置が分からなくなってしまい、「すべてが水泡に帰した」と悔やんだ。

 ICRCはこの日、人工知能(AI)を使って、地雷など爆発性戦争残存物(ERW)が発する熱を探知する新型ドローンを発表した。ウクライナでの使用もあり得るとしている。(c)AFP