日本の老舗メーカーPEGASUS幹部、中国への思いを語る
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【6月8日 Xinhua News】中国天津市(Tianjin)のミシンメーカー、ペガサス(天津)ミシンは、大阪に本社を置く1914年創業の工業用ミシン大手PEGASUSの全額出資子会社で、94年の設立以来、30年近く工業用ミシンの製造に携わってきた。年間生産台数は10万台を超え、PEGASUSグループにとって世界で最も重要な生産・販売拠点となっている。
総経理の岡田義秀氏は05年に天津に赴任して以来、中国北部最大の沿海都市であるこの地で20年近く勤務する中で、中国経済や中日経済・貿易関係の継続的な発展が印象深いと語る。
岡田氏は、中国には優れたビジネス環境や安定した販売網、生産・供給網があり、企業が中国に根を下ろす上で広大な空間と強力な保証を提供していると指摘。「今後も新製品の研究開発や販売に力を入れ、中国事業をさらに拡大させていきたい」と話した。
統計によると、今年1~3月の中日間の貿易額は5464億元(1元=約20円)に上り、貿易規模は地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の加盟国中、最大となった。
両国の経済・貿易協力の継続的な発展と最適化が、中国市場に対する自信をさらに高めた。今年は数千万元を投じて市内に建設した総面積7千平方メートル余りの研究開発センターが稼働。ペガサス(天津)ミシンは日本の本社にとって最も重要な研究開発拠点に昇格した。
岡田氏によると、ここ数年、コスト面での理由から縫製品の生産が東南アジアに移行しており、それに伴い一般的な機種の輸出台数も増えている。一方、中国では高級衣料品の縫製市場が拡大しており、研究開発センターの稼働によって中国市場に必要な高性能かつ多機能で省力化ミシンを提供できることも分かった。
中国政府はここ数年、ビジネス環境を継続的に改善することで、日本企業による対中投資の発展を支援してきた。昨年1月1日、RCEP協定が発効したが、これも日本とその最大の経済貿易相手国である中国との間で結ばれた初の自由貿易協定となる。統計によると、今年1~4月に日本がRCEP協定に基づき発給した原産地証明書の件数は4万1千件に上り、RCEPは現在、日本で最も利用されている経済協力協定となっている。
天津を例に挙げると、今年に入ってから、複数の日本企業が工場建設や増資を通じて、中国経済の先行きに「信任票」を投じている。愛知県の自動車部品メーカー、アドヴィックスによる4億4千万元を投じた工場増設プロジェクト、あいおいニッセイ同和損害保険の中国法人、愛和誼日生同和財産保険(中国)による3億7500万元の増資、漢方大手ツムラの中国法人、天津津村製薬と大手食品メーカー明治グループの中国法人、明治乳業(天津)の工場稼働などが挙げられる。こうしたことから、在中日系企業が中日経済・貿易協力の先行きを楽観していることがよりはっきりとうかがえる。
創業以来、中国はPEGASUSにとって最も重要な生産・販売市場となっている。岡田氏は「われわれは中国で、中国と共に成長してきた。この決定がグループの発展にさらなる弾みをつけると信じている」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News