【6月8日 Xinhua News】人口増加に伴って急増するごみの処理は各都市を悩ます世界的な問題となっている。中国広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)は20年余りの取り組みを通じ、生活ごみ最終処理循環経済産業パークを7カ所立ち上げ、ごみ処理施設を24カ所稼働、焼却・生分解による1日3万9千トンの処理能力を形成した。同市の都市管理・総合執法局の陶鎮広(Tao Zhenguang)局長は「広州は未処理ごみの『埋め立てゼロ』をいち早く達成し、都市ごみの課題を克服した」と胸を張る。

 人口2200万人以上の超大都市である広州では、生活ごみ排出量が1日当たり約3万トンに上り、しかも年々増える傾向にある。2001年にはアジア最大のごみ埋め立て処分場が設けられ、寿命は50年とされたものの、わずか10年で満杯になり、ごみの山が崩落するリスクも生じた。

 ごみ問題の深刻化に対処するため、広州は市内全域でごみ分別を推し進め、ごみの量を減らすと同時に、「焼却を主体とし、生分解を補助とし、循環利用を推進する」との生活ごみ処理の新たな枠組みを推進している。

 同局施設建設処の高燦峰(Gao Canfeng)処長は「生活ごみ焼却技術の立ち入った検証を経て、環境整備と社会経済発展の両立という見地から、循環経済産業パークの名の下でごみ焼却施設の建設を進め、すでに7カ所の循環経済産業パークを立ち上げた。地元住民の合意も取り付け、市民の高い評価を得ている」と語った。

 福山循環経済産業パークは7カ所の循環経済産業パークの一つ。外からは固体廃棄物の姿は見られず、四季折々の花が咲き誇り、異臭もない。ごみ焼却による熱エネルギーは発電に利用。排ガス中のアンモニアと窒素酸化物は脱硝後、無害な窒素ガスと水になり、浄化処理した水はパーク内の花の水やりや養魚、清掃に利用される。最終的に生成されたスラグは選別され環境に優しいレンガに生まれ変わる。

 循環経済産業パーク7カ所の見学客は、オンラインを含め650万人を超えた。福山循環経済産業パークの解説員を務める孫輝(Sun Hui)さんは「広州市では現在、100世帯に2世帯が生活ごみ焼却発電による電力を利用している」と語る。同パークの広州市第三資源熱力発電所の1期施設の生活ごみ処理能力は1日当たり4千トンに上り、年間発電量は5億4千万キロワット時で20万世帯の電力需要を賄えるという。

 都市管理・総合執法局の陶局長は「焼却施設の設計処理能力は1日当たり3万9千トンで、広州の1日のごみ排出量3万トンを上回り、まだ余裕がある。今後はすでに埋め立てたごみを運び出して焼却することも計画している」と明らかにした。(c)Xinhua News/AFPBB News