【6月7日 AFP】米首都ワシントンの連邦地方裁判所は6日、保守系シンクタンク「ヘリテージ財団(Heritage Foundation)」が英国のヘンリー王子(Prince Harry、38)の入国記録の開示を求めていることについて、国土安全保障省に対し、13日までに対応するよう命じた。ヘンリー王子は自伝で違法薬物の使用を認めているが、ビザ(査証)を発給されている。

 ヘンリー王子はこの日、大衆紙による電話盗聴などの被害を訴えている件をめぐり、英ロンドンの裁判所で証言をしていた。

 米国籍の妻メーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)と共に王室離脱後、2020年1月に米国に移住したヘンリー王子は、自伝「スペア(Spare、原題)」で過去にマリフアナ(大麻)やコカイン、幻覚剤を摂取したことを赤裸々につづっている。

 ヘリテージ財団は情報公開法に基づいて国土安全保障省に情報開示を求めている。同財団は連邦地裁への訴状で、「米国の法律では一般的に、このような人物の入国は認められていない」と指摘。この件は「公益性があり、メディアの関心も集めている」としている。

 また、過去の薬物使用を理由に入国を拒否された著名人として、サッカー界のレジェンド、ディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)さんや歌手のエイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)さんを例に挙げている。

 政府は「記録を公開する切実な必要性があるとは今のところ確信できない」と回答。国土安全保障省の2支部はこれまで、王子の同意がないとして開示を拒否していた。

 米国のビザ申請には過去の薬物使用についての質問項目があり、入国を禁じられる可能性があるが、例外が認められるケースもある。(c)AFP