【6月7日 AFP】国連(UN)など国際機関は6日、アフリカのサハラ(Sahara)以南をはじめ世界各地では今も6億7500万人が電気を利用できない状態にあるとする報告書を公表した。

 報告書によると、電気なしに生活している人の数は2010年時点では11億人だったが、その後の約10年間で大幅に減少。しかし、21年時点でもなお6億7500万人が利用できていない。

 うち約80%はサハラ以南のアフリカの住人。この地域の利用状況は10年以降も基本的に変わっていない。

 他の地域では状況は改善しており、特に再生可能エネルギーの利用が予想を上回るペースで拡大している。ただ報告書は、いまだに電気がない暮らしをしている人々が安価な電気を安定的に利用できるようにするためには、さらなる努力が必要と指摘している。

 15年に国連加盟国が全会一致で採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」の一つに、30年までにクリーンかつ安い値段のエネルギーをだれもが使えるようにするという項目が盛り込まれているが、報告書は、達成は難しい状況にあると警告した。

 報告書は国連のほか国際エネルギー機関(IEA)、世界銀行(World Bank)、世界保健機関(WHO)などがまとめた。(c)AFP