【6月7日 AFP】ロシア政府は6日、ウクライナからの越境攻撃にベルギー製兵器が使用された疑いがあるとして、同国大使を呼び出して抗議した。

 ロシア外務省は抗議について、「(ウクライナと国境を接する南部)ベルゴロド(Belgorod)州でテロ攻撃を行った反体制派組織がベルギー製兵器を使用したことが明らかになった」のを受けたものと説明。「西側製の兵器や装備がウクライナ軍に供与されれば、制御不能な形で拡散する恐れがあるとわが国は再三警告してきた」と述べた。

 その上でベルギーに対し、「ロシアで民間人と民間インフラを攻撃している」武装集団をウクライナが「支援している証拠が次々に出てきているという事実を無視してはならない」と訴えた。

 米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は、親ウクライナ派のロシア人義勇軍組織がベルゴロド州で、米国とポーランドがウクライナに供与した軍用車両と、ベルギーとチェコで製造されたライフルを使用したと報じた。

 報道を受け、ベルギー政府は5日、ウクライナ側に説明を求める意向を表明した。

 ベルギーは他の欧米諸国と同様、紛争のエスカレーションを懸念しており、供与した武器をロシア領への攻撃に使用しないようくぎを刺している。

 一方ウクライナは、ロシア領攻撃の「黒幕」説を否定している。(c)AFP