【6月7日 AFP】男子ゴルフ米国ツアー(US PGA Tour)とDPワールドツアー(DP World Tour、欧州ツアー)は6日、サウジアラビアが後援するLIVゴルフリーグ(LIV Golf League)との事業統合を発表し、2年にわたる対立に終止符が打たれることになった。

 突然発表された衝撃的な合意書の中で、米ツアーはLIVおよび欧州ツアーとゴルフ関連の活動を統合し、「共同で保有する新たな営利団体」を形成する合意に署名したことを明かした。

 LIVゴルフリーグは、1大会2500万ドル(約35億円)の賞金や賞金保証を使って米ツアーの有名選手を引き抜き、2021年10月に立ち上げられた。すると米ツアーは管轄大会への移籍組の出場を禁止し、ワールドツアーも多額の罰金を科して対抗。争いは複数の訴訟に発展し、LIVと高額契約を結んだ米国のフィル・ミケルソン(Phil Mickelson)やブルックス・ケプカ(Brooks Koepka)と、残留したロリー・マキロイ(Rory McIlroy、北アイルランド)やタイガー・ウッズ(Tiger Woods、米国)らメジャー王者同士の対立も生んだ。

 米ツアーのジェイ・モナハン(Jay Monahan)コミッショナーは、「2年間の混乱と騒動を経て、私たち全員が知り、愛するスポーツにとっての歴史的な日を迎えた」と宣言し、「今回の歴史的な提携は、PGAツアーの歴史と財産、プロ大会のモデルが持つ計り知れない強みを評価しつつ、DPワールドツアー、さらにはチーム戦のコンセプトを含めたLIVとの統合を実現し、選手と商業・慈善パートナー、ファンに利益をもたらす組織を作り出す」と続けた。

 新団体の名称と具体的な構造はまだ発表されていないが、米ツアーによれば、3者は「2023年シーズン後にPGAツアー、DPワールドツアーの会員資格の再申請を希望する選手にとって、公平かつ客観的なプロセスを構築する」という。

 新団体の理事としては、サウジアラビアの政府系基金パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)のヤセル・ルマイヤン(Yasir al-Rumayyan)総裁が会長、モナハン氏が最高執行責任者(CEO)を務める。(c)AFP