■夢の共演

 だが、6年ぶりにニューアルバムをリリースし、自身のバンドでのワールドツアーを控えたノエルはご機嫌だった。

 アルバム収録曲の「Pretty Boy」では、元「ザ・スミス(The Smiths)」のジョニー・マー(Johnny Marr)が参加し、「ザ・キュアー(The Cure)」のロバート・スミス(Robert Smith)がリミックスを担当するという夢のようなオールスター共演も実現した。

「ロバート・スミスのことは全然知らない。オアシスも俺のことも好きじゃないだろうと思っていた」と言う。

「でも、とにかく曲を送ってみたら、ものすごく気に入ってくれた」

 マーについては、オアシスがマンチェスター周辺で活動し始めた頃からの友人で、「最初に俺たちに興味を示してくれた」「すごい人」だと評した。

■呪われたギター

 ノエルにとって、フランスは因縁の地でもある。

 オアシスは2009年にパリ近郊の野外ロックフェスティバル「ロック・オン・セーヌ(Rock en Seine)」に出演予定だったが、ノエルと、ボーカルを務める弟のリアム(Liam Gallagher)が楽屋で大げんかし、バンドはそのまま解散した。

 そのけんかでリアムにたたき壊されたギブソン(Gibson)の赤いギターは、昨年パリでオークションにかけられ、38万5000ユーロ(約5800万円)で落札された。

「あのギターはパリのピガール(Pigalle)のどこかで買ったけど、ずっと気に入らなかった」とノエル。

「ばらばらに壊されたギターを、買い取ったやつが修理するとは思わなかった。でも、元通りにしてよかったな」と語った。

「でも、あれはクソみたいなギターだ。1曲も書けなかった。呪われたギターだったな」 (c)AFP/Philippe GRELARD