【6月11日 AFP】英ロックバンド「オアシス(Oasis)」の元メンバー、ノエル・ギャラガー(Noel Gallagher、56)が今月、ニューアルバム「カウンシル・スカイズ(Council Skies)」をリリースした。新型コロナウイルスの影響や政治的混乱が暗い影を落とす英社会についての内省的作品だが、歯に衣(きぬ)着せぬ物言いは健在だ。

 アルバムは、自身のソロプロジェクト「ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ(Noel Gallagher's High Flying Birds)」の4作目となる。

 仏パリでAFPの取材に応じたノエルは、「政府にはマジでちゃんとやれと言いたい」と語った。「英国は、とても厄介な所になりつつある。国民にとって厳しい時代だ」

 アルバム用の新曲を書いたのは、新型コロナの感染が拡大し、ロックダウン(都市封鎖)が導入されていた最中だった。創作活動には適していたが、フラストレーションもたまったという。

「この時期に一番うまく適応したのは、クリエーティブに活動できたアーティスト連中だ。そういう意味ではメリットもあった」

「でも、マスクとか、ああいうのは本当に嫌だった。世界中の政府が過剰反応したんだろう。ネットで神経症のばかどもにあれこれ言われて」

「あれから世界は立ち直ってはいない。たぶんこの先もだめだろう。そうこうするうちに、また次の問題が起きるわけだ」と笑った。

 英社会には、パンデミックと数年に及ぶ政治的混乱の影響が今も尾を引いている。

 ブレグジット(英国のEU離脱、Brexit)」後は、英国のアーティストが欧州ツアーをするのも以前より大変になり、費用も高くつくようになった。

「フランスに2週間滞在するんじゃなく、欧州各地の首都(都市でも)ばかりを10日間回る。影響を受けるのはファンの方だ」