【6⽉5⽇ Peopleʼs Daily】このほど開催された第3回長沙国際建設機械展覧会には、世界の企業1500社余りが2万点余りの展示品を携えて出展した。この展示エリア約30万平方メートルのアジア最大の建設機械の国際展示会を通して、中国の建設機械業界の新たな動向や変化を知ることができる。

 中国国内の多くの建設機械メーカーにとってこれまで、基幹部品や技術の不足が悩みの種だった。しかし今回の展示会では出展企業の7割が部品メーカーだった。

 部品だけでなく、完成機メーカーが世界で初めて出展した新製品は30件超で、新技術も200件以上が発表された。世界的にも革新的な製品と技術の発表は120件に達した。

 中国の建機メーカーの躍進ぶりが分かる工場の一つが、三一重工(Sany)の長沙18号工場だ。制御室では、敷地面積10万平方メートルに及ぶ作業場の状況が、リアルタイムで複数のディスプレイに映し出される。ロボットの状況、生産ラインの稼働などの各データは、ワンキーで検索・把握できる。

 同社のスマート製造専門家の饒有福(Rao Youfu)氏は「18号工場の改造から5年余りで、生産能力が123%、生産効率が98%向上しました。自動化率は76%に達しました」と説明した。

 湖南省(Hunan)長沙市(Changsha)湘江新区の中聯智慧産業城の土方機械園では、6分ごとに掘削機1台を製造できる。ここでは工業AI、デジタルツインなど150件の業界先端技術が活用され、材料の準備から溶接、加工、塗装、組立、調整に至る全プロセスのスマート製造を実現した。

 中国政府・工業情報化部の関係者によると、中国の建設機械産業はスマート化、グリーン化モデルチェンジなどを加速させている。現在までに11社のスマート製造モデル工場、約100のスマート製造モデル応用、20社余りのグリーンサプライチェーン管理企業が設立された。

 三一重工の2022年における海外市場での売上高は365億7100万元(約7204億円)で、総売上高の5割近くを占めた。中聯重科の輸出販売収入は前年比で7割以上増加した。中国鉄建重工集団(China Railway Construction Heavy Industry)の海外売上高は前年比512.04%増で新規契約額は同74.47%増だった。

 中国建設機械工業協会によると、2022年の中国の建設機械輸出は過去最高の443億200万ドル(約6兆2125億円)に達した。特に、ハイテク建設機械の輸出が目立って増加した。

 2023年になってからも、多くの建機メーカーの海外販売は好調だ。業界関係者によると、スマート化や電動化技術による産業競争力の強みのほか、日増しに成熟する産業チェーンの強み、国際市場へのサービス能力の向上も重要な要素という。

 中国建設機械工業協会の蘇子孟(Su Zimeng)会長は「中国の建設機械は国内で数十年にわたってインフラ建設が進められたことで、さまざまな作業状況に遭遇してきた。国内市場の場数を踏んだ建設機械メーカーが国際的に活躍することになった」と説明した。(c) Peopleʼs Daily /AFPBB News