【6月6日 Xinhua News】「中国のウナギの都」と呼ばれる福建省(Fujian)福州市(Fuzhou)は国内の重要なウナギ養殖拠点であり、かば焼きにしたウナギ(ウナギ調製品)の輸出拠点でもある。中国税関総署のデータによると、2022年のウナギ製品の輸出先は日本が最も多く、輸出量は全体の46%に当たる約3万トンだった。

 同省の水産養殖・輸出大手、福建天馬科技集団が福清市に持つ養殖基地では、スマート温度制御システムを導入し、養殖池の水温を26~30度に保っている。このほか、酸素を送り込むエアレーションが24時間を稼働させ、基地内の養殖工程や水質モニタリングに関するデータをリアルタイムでスマート漁業プラットフォームに送ることで、高精度で効率的な生産を実現している。

 同集団傘下の食品会社、福建天馬食品の闕川博(Que Chuanbo)董事長によると、ウナギの稚魚を養殖池に放ってから加工工場で焼き上げられるまでにおよそ10~24カ月を要する。加工工場に運ばれたウナギは洗浄、焼き上げ、液体窒素による急速冷凍など18の工程を経て、真空パックされたウナギのかば焼きになる。同集団のウナギ調整品は29年連続で日本へ輸出されており、現在、世界の70余りの国と地域で販売されている。

 食品会社、福建福銘食品の責任者、楊新(Yang Xin)さんは「ウナギ調整品の生産ラインは全て自動化され、1時間余りで750キロ生産できる。製品の90%以上は輸出用で、スピーディーな物流体制により、工場で焼き上げ梱包してからわずか3日前後で日本に届く」と語った。

 同省鰻業協会の高飛(Gao Fei)秘書長によると、同省における22年のウナギ調整品生産量は約3万5千トンに上り、市場規模は約80億元(1元=約20円)、うち輸出による外貨獲得高は6億7千万ドル(1ドル=約140円)だった。国内販売の需要も徐々に伸びているという。(c)Xinhua News/AFPBB News