【6月5日 AFP】サッカー韓国代表のユルゲン・クリンスマン(Juergen Klinsmann)監督は5日、贈収賄事件に関連して中国で拘束されている孫準浩(Son Jun-ho、ソン・ジュンホ)を、今月行われる親善試合に向けたメンバーに招集した。

 中国スーパーリーグ(1部)の山東泰山(Shandong Taishan FC)に所属している孫は先月、遼寧(Liaoning)省の公安当局に拘束された。

 大韓サッカー協会(KFA)はAFPに対し、孫の解放を求めて中国に職員を派遣したものの、同選手の弁護士は「話したがらない」様子だったと明かした。また韓国の聯合(Yonhap)ニュースは、KFAの職員がこの日帰国したものの「失敗に終わった」と報じている。

 中国側は孫に対する疑惑について詳細をほとんど公表しておらず、「政府関連ではない職員から賄賂を受け取った疑いにより拘束された」とだけ発表している。

 出場は難しいとみられているが、クリンスマン監督は16日のペルー戦と20日のエルサルバドル戦に向けたメンバーに31歳の孫を招集した。

 代表発表会見で指揮官は「もちろん、準浩の状況には誰もがショックを受けている。われわれは全面的に彼をサポートしている」とし、「何かが起こることを毎日祈っているが、われわれにはどうしようもない」と述べた。

 クリンスマン監督はまた「彼の精神的、肉体的な状況は分からないが、彼にはわれわれのサポートが値すると思う」と続けた。

 孫は、W杯カタール大会(2022 World Cup)で3試合に出場している。

 この日発表された代表メンバーには、イングランド・プレミアリーグのトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)に所属する孫興民(Son Heung-Min、ソン・フンミン)が名を連ねたものの、イタリア・セリエAのナポリ(SSC Napoli)で優勝に貢献した金ミン哉(Kim Min-jae、キム・ミンジェ)は、兵役義務のためメンバー外となった。(c)AFP