【6月5日 AFP】ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏は4日、収容されている刑事施設で47歳の誕生日を迎えた。拘束下での3回目の誕生日となったが「気分は良い」とのメッセージを発した。現在は独房に入っているという。

  独立系人権団体「OVDインフォ(OVD-Info)」によるとロシアではモスクワやサンクトペテルブルク(St. Petersburg)などの都市で同日、ナワリヌイ氏支持者による抗議デモが行われ、少なくとも45人が警察に拘束された。

 ジョージアの首都トビリシでも、ナワリヌイ氏を支持する同国在住のロシア人活動家らが、かつてロシア大使館だった建物の前で抗議デモを行った。英ロンドンのロシア大使館前でも抗議デモが行われた。

 ナワリヌイ氏の支援団体は、同氏は施設内で嫌がらせを受けており、軽微な規則違反で「懲罰房」に入れられることがあると話す。支持者らは、当局が同氏の気力を奪うことを狙っているとした。

 支援者を介してソーシャルメディアに投稿したメッセージで、同氏は47歳の誕生日には懲罰房で目覚めたとつづった。

「誕生日の朝、正直になって自分に問い掛けなければならない。本当に気分が良いのか、それとも、自分にそう思いこませているのか」

「私の答えは、本当に気分が良い、だ。もちろん、この恐ろしい場所で目覚めるのではなく、家族と一緒に朝食を取り、子どもたちから頬にキスをされ、プレゼントを開けられたらと願っていることは認める」

「だが、社会の進歩とより良い未来は、信条の自由を守るために代償を払うことをいとわない人が一定数いてこそ成し得るものだ」

 ナワリヌイ氏は2020年、毒物服用によるものとみられる症状を示し、ドイツで治療を受けた。その後、21年に帰国すると逮捕され、詐欺や法廷侮辱の罪で懲役9年の刑を言い渡された。

 現在は、モスクワから200キロ離れたウラジーミル(Vladimir)近郊の収容施設にいる。弁護士チームを介して外部と連絡を取り合い、メッセージを発信している。(c)AFP