【6月5日 AFP】練習で使うグラウンドでは牛が放し飼いにされているが、米大リーグ(MLB)を目指すウガンダのデニス・カスンバ(Dennis Kasumba)選手(18)は、そうした質素な環境も全く苦にしない。

 首都カンパラから12キロの町ガヤザ(Gayaza)出身のカスンバ選手は、今夏、米アマチュア野球のトップリーグでプレーすることになった。スラム街の孤児として極貧環境で育ち、プロ野球選手になることを夢見る中で、一生に一度のチャンスがめぐってきた。

 ネット上に投稿したプレー動画が話題になり、今月開幕の「MLBドラフトリーグ」に招待されたのだ。

 未来のスター選手が集まるドラフトリーグでスカウトにアピールし、地元のコーチやチームメートの自慢の存在になるため、出発前は地元ガヤザの球場で昼夜を問わずトレーニングに励んだ。

 使い込んだキャッチャーミットとテープで補修されたバットでメニューをこなし、フィールドの外でもあらゆるものを駆使して体を鍛え上げてきた。

 コンクリートや捨てられた車のタイヤで作られたバーベルを使ってスクワットをしたり、水を入れたペットボトルを脚につけてスタミナを強化したり、やれることをやってきた。

 トレーニング風景を撮影した友人や家族がSNSに動画を投稿し、その根性や明るさに感銘を受けたフォロワーの数は今や数万に上る。