【6月3日 AFP】ロシア連邦保安局(FSB)は1日、米国家安全保障局(NSA)が米電子機器大手アップル(Apple)と「緊密に連携」して同社製品数千台をマルウエアに感染させ、各国のロシア大使館職員の電話番号を流出させたと非難した。

 また、ロシアのITセキュリティー大手カスペルスキー(Kaspersky Lab)は、同社の研究チームがiPhone(アイフォーン)からこれまで知られていなかったマルウエアを検出したと発表。職員数十人が標的にされたとしている。

 同社を創設したユージン・カスペルスキー(Eugene Kaspersky)氏は上記のiOS端末について、スパイウエアをインストールするための悪意あるファイルが添付された「見えないiMessage」を受信したと説明した。このスパイウエアがインストールされると、録音音声やインスタントメッセンジャーからの写真、位置情報などの個人情報が「ひそかに」送信されるという。

 カスペルスキー氏はブログへの投稿で、「カスペルスキー社はこのサイバー攻撃の主たる標的ではなかったと確信している」との見方を示した。

 同社は、最も古い感染の痕跡は2019年にさかのぼり、「攻撃は現在も行われている」と主張している。

 米当局は2022年3月、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、カスペルスキー社を「国家安全保障に対する脅威」と認定した。

 1997年に創設され、世界に4億人の顧客を抱えているカスペルスキー社は、ロシアの情報機関との密接な関係を非難されている。(c)AFP