【6月5日 Xinhua News】中国工程院中国次世代人工知能発展戦略研究院のチーフエコノミストで南開大学経済研究所所長の劉剛(Liu Gang)氏がこのほど、天津市(Tianjin)で開催された第7回世界スマート大会で「中国次世代人工知能(AI)科学技術産業発展2023」リポートを発表した。

 リポートによると、中国のAI科学技術産業は「ディープテック」のイノベーションにけん引されたものである。インターネットビジネスモデルのイノベーションと異なり、ディープテックのイノベーションは応用ニーズをけん引役とし、基礎研究と技術開発、大規模応用の良好な相互作用が重要となる。

 中国では現在、主に京津冀(北京市・天津市・河北省<Hebei>)、長江デルタ、珠江デルタ、川渝(四川省<Sichuan>・重慶市<Chongqing>)の重点都市にAI産業クラスターが形成された。外部のイノベーション資源の導入と内部のイノベーション資源の活用を通じ、西部地域の西安市(Xi'an)、中部地域の武漢市(Wuhan)と長沙市(Changsha)、東北地域の瀋陽市(Shenyang)と大連市(Dalian)、ハルビン市(Harbin)でもAI産業クラスターの最初の形が出現した。

 中国AI産業クラスターのバリューネットワークは、特定のプラットフォームとその主導する産業イノベーションの生態系を中核として発展してきた。2014~22年のバリューネットワーク構造の分析によると、中国AI産業はクラスター構造の特徴がますます鮮明になってきた。通信機器大手の華為技術(ファーウェイ、Huawei)やIT大手の騰訊控股(テンセント、Tencent)、百度(バイドゥ、Baidu)、アリババ・グループ(Alibaba Group)をはじめとする大手プラットフォームが中国AI産業クラスターの形成と発展の中核をなした。ここ数年は、スマートチップやアーキテクチャー、OS(オペレーションシステム)、大規模モデル、機械学習プラットフォーム、応用ソフトウエアなどの分野での大手プラットフォームによる研究開発と産業化の布石が、中国AI産業クラスターの国際競争力の向上に堅固な土台を築いた。(c)Xinhua News/AFPBB News