【6月4日 CGTN Japanese】中国西部にある陝西省(Shaanxi)考古研究院の孫戦偉(Sun Zhanwei)副研究員は、国家文物局が5月30日に開催した会議で、同省榆林市(Yulin)清澗県(Qingjian)にある寨溝遺跡の考古作業における重要な成果を発表しました。それによりますと、同遺跡とその周辺約300万平方メートルのエリア内で、大型の墓、小型の墓地、鋳銅遺物などさまざまな機能区が見つかりました。

 寨溝遺跡は商代(紀元前1600年~同1046年)末期の李家崖文化の集落遺跡です。商代末期の高級貴族の墓地計9カ所が見つかりました。陝西省北部でこれまでに発見された高級貴族の墓の中で、規模が最大で数が最多です。

 墓からは、青銅製の車馬器一式、トルコ石をちりばめた青銅製のツバメ形のベルトバックル、雲形の金耳飾り、青銅製の矢じり、青銅製のおの、貝、玉器、ワニの骨板など、200点余りのさまざまな副葬品が出土しました。

 甲骨文の記載によりますと、商代末期には商王朝の北部と西部に70余りの方国(臣下部族や国家のこと)が存在し、中原地域の殷墟(商代末期の首都跡)と商王朝の政治地図を形成していました。寨溝遺跡の発見により、商代末期の高度に発達した青銅器文明が明らかになりました。発掘された遺物の写真が公開されると、その美しい形と状態の良さが、現代人を驚かせました。ネット上では「現代でもファッションアイテムになりそうな形」「このツバメはとても美しい。何千年たっても生き生きとしている」などのコメントが寄せられています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News