【6月2日 CNS】2022年に中国の人口は85万人減少したが、一部都市では人口は増えている。どの都市の人口が増加したのだろうか。

 中国メディアが主要40都市のデータを精査した結果、2022年に10万人以上の人口が増えた都市は、長沙市(Changsha)、杭州市(Hangzhou)、合肥市(Hefei)、西安市(Xi’an)、貴陽市(Guiyang)、南昌市(Nanchang)の計6都市だった。うち5都市は中西部の都市で、杭州だけが東部沿海地域の都市だった。

 長沙市の人口は2022年に18万1300人増え、増加人数で全国1位になった。2022年、長沙市の一人当たり可処分所得は5万8850元(約115万円)に達し、5.9%増加している。長沙市の平均住宅価格は1平方メートル当たり1万1142元(約22万円)とまだ高騰しておらず、優秀な人材の定住ニーズを満たすことができる。

 長沙に次いで2位となった杭州市は17万2000人の増加だった。合肥市は人口増加率で3位にランクした。2022年の合肥市の居住人口は963万4000人で、前年より16万9000人増加した。合肥は近年、「最強のベンチャー都市」とも称され、多くの人材を引き付けている。

 人口が10万人以上増加した6都市には、杭州、長沙、合肥、西安といったGDP1兆元都市や、南昌、貴陽といった、1兆元(約19兆円)の大台から遠く、地方都市のGDP総額ランキングでも上位に入らない都市の両方が含まれている。

 順位を広げて人口増加率の上位10都市を見ると、昆明市(Kunming)、武漢市(Wuhan)、鄭州市(Zhengzhou)、青島市(Qingdao)各市が7位以下に入ってくる。10都市中9都市が省都であり、省都でない都市は10位の青島市のみだった。

 大まかな地域分布を見ると、人口増加率上位10都市のうち、杭州市と青島市は東部沿岸地域、残りの8都市は中部・西部地域だった。

 アモイ大学(Xiamen University)経済学部の丁長発(Ding Changfa)准教授は、長江デルタや珠江デルタなど先進的な沿岸地域での運営コストが上昇したことで、多くの産業が中部・西部地域に移転していると分析した。

 全体として、昨年は中西部の省都の人口増加が際立ったが、その要因のひとつに、沿岸部の長江デルタや珠江デルタで昨年の新型コロナウイルス流行の影響を受け、故郷に戻った人がいることも挙げられる。(c)CNS-第一財経/JCM/AFPBB News