【6月1日 Xinhua News】中国四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)崇州市(Chongzhou)の白頭鎮五星村では、新型農業経営システムによる農業振興を進めるとともに、美しい自然景観を生かした農村観光にも力を入れている。

 崇州市は2010年、農家の人に「土地請負経営権」を出資してもらう村単位の「土地株式合作社」を設立。技術者を「農業職業経理人」として招いて経営を任せ、穀物栽培の大規模化に着手した。これまでに土地株式合作社を246社立ち上げ、経営を担う農業職業経理人を約3千人育成した。

 華南農業大学の専門家、羅必良(Luo Biliang)氏によると、同市は土地株式合作社を新たな経営主体、農業職業経理人を新たな生産主体、農業社会化サービスシステムを新たなサービス主体とする「農業共同経営制」という新型農業経営システムの構築を目指している。

 同市農業農村局の推計によると、22年の市全体の穀物、イネ、小麦の単位面積当たりの収穫量は11年比でそれぞれ8・6%、1・5%、4・3%増加。農家の家族経営に比べ、農業職業経理人による水稲栽培は1ムー(約667平方メートル)当たりの収穫量が約55キロ増えた。

 13年には穀物の高収量・安定生産・高効率生産に向けた広さ10万ムー(約6670ヘクタール)の総合モデル区の建設も開始。高規格農地の整備や「幸福で美しい村作り」にも取り組み始めた。

 五星村ではここ数年、企業を誘致して、農業と観光を結び付けた「天府国際スロータウン」の開発に力を入れている。天府国際スロータウンは近隣の榿木河公園や五星村風景区と一体的に計画・建設し、20年には国家4A級観光地(上から2番目のランク)に認定された。

 同村は22年に観光客数が280万人余り、観光収入が8千万元(1元=約20円)超となり、村民1人当たりの可処分所得は4万元を超えた。(c)Xinhua News/AFPBB News