【6月1日 CNS】「果物の王様」と呼ばれるドリアンの価格が中国で下がっている。中国の果物の量り売りの単位である1斤(約500グラム)が20元(約392円)まで下がっている。一方、ブランド品では1斤70元(約1375円)以上するものもある。

 北京市海淀区(Haidian)のスーパーマーケットでは、ドリアンの屋台の前に「特価」ラベルが貼られていた。値札を見ると、1斤29.8元(約585円)。1週間前よりも10元(約196円)ほど下がっていた。

「ドリアンは季節の果物なので値段は変動します。最近、安くなってきました」とスーパーの店員は説明する。

 卸売業者によると、ドリアンの価格が安くなったと感じるのは5月から6月にかけて、タイ産ドリアンが大量に出回るからだという。

 中国はドリアンの輸入大国である。2022年のドリアン輸入量は82万5000トンだった。今年の第1四半期(1~3月)は、すでに9万1400トンを輸入しており、前年同期を上回っている。

 2022年の中国の輸入量のうち78万トンはタイからの輸入だったが、最近になってベトナム産やフィリピン産の輸入も認可され、供給国が増えたことも価格下落に拍車をかけている。

 また、ドリアンの価格には、輸送コストが大きく影響する。2021年12月に中国・ラオス鉄道が正式に開通したこともあり、東南アジアの熱帯果物は、より安く、早く中国に運ばれてくるようになった。

 これまでタイから中国への輸送にかかる時間は船便で約7日、陸路で約5日かかっていたが、中国・ラオス鉄道を利用すれば、タイから中国南部の昆明市(Kunming)までわずか3日で運ぶことができるようになった。

 卸業者は、品質のよいドリアンはあまり安くはならないが、全般的にはまだ価格下落の余地があるとみている。(c)CNS/JCM/AFPBB News