字幕:消えゆく香港名物「ネオンサイン」 保護活動も
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【5月31日 AFP】香港の街を赤や青、黄色などに照らしてきた名物のネオン。安全上の理由から、その大部分が撤去されている。
ネオンサインの保護活動家カーディン・チャンさんはAFPの取材に応じ、「ガラスが割れる音を聞くと、胸が張り裂けそうな気持ちになる」と述べた。
ネオンサインの保護を手掛けるNGO「テトラ・ネオン・エクスチェンジ(TNX)」は、当局が撤去したサインを野外で保管している。
TNXの活動に参加するチャンさんは、たくさんあったネオンを「救う」ことが使命だと思っている。
TNXが昨年実施した調査によると、香港に残っているネオンサインは約500個に上る。
労働者が多く暮らす深水ホ(Sham Shui Po)地区の質店のネオンサインが撤去されるという知らせが、ソーシャルメディアで瞬く間に広がった。すると、ネオンの最後を撮影しようと、ファンが大勢詰め掛けた。
店主のダン・コウさんは「ネオンサインが撤去されるのはとても残念だ。温かみがあり、心地よい色合いの美しい看板なのに」と語った。
ネオンサインはかつて、ブライダルウエアや宝石店、ホテル、魚のすり身団子入り麺店など、香港のあらゆる店で使われていた。
「私たちの通りは、生きたギャラリーだった」と、チャンさんは話す。
香港当局は、ネオンサインによって「建築物の安全性に関わる持続的な問題」が発生していると説明している。
撤去には慎重な作業が求められる場合もある。コウさんの質店では作業員が1人で数時間かけてネオン管を丁寧に外していった。
店名の上に「喜」と言う漢字を二つ並べた双喜紋があしらわれたコウさんのチェーン店ならではの看板は、保護活動をするチャンさんの目に留まった。
芸術作品だと話すチャンさんは、ほぼ1か月かけてコウさんを捜し出し、ネオンサインを保存するよう説得した。
チャンさんはいつの日か、ネオンサインを雨風にさらされない「美術館のような施設」で展示したいと願っている。だが、TNXには現在、その余裕はないという。
映像は今年3月に撮影。(c)AFP/Yan Yan Zhao and Justin Chan