【5月31日 AFP】女子テニスのイガ・シフィオンテク(Iga Swiatek、ポーランド)が30日、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻がスポーツの世界に「混乱」をもたらしていると話した。

 シフィオンテクは仏紙ルモンド(Le Monde)のインタビューで、「実際、選手間には緊張があるし、控室がひどく重い雰囲気のときもある」と明かし、「侵攻の開始時点でテニス界の上層部にリーダーシップが欠けていて、この複雑な状況をどう扱い、どう振る舞うつもりかを一緒に説明できなかった」と発言。ウクライナとロシアの選手が対戦する問題に対して、リーダーシップを発揮できなかった男子プロテニス協会(ATP)と女子テニス協会(WTA)を批判した。

「一番かわいそうなのはウクライナの選手で、彼女たちの気持ちや、何に耐えているかに私たちがもっと気をつけてあげれば、いい方向へ進むと思う」

 現在開催中の全仏オープンテニス(French Open 2023)では、シフィオンテクの懸念が現実になり、29日に行われたアリーナ・サバレンカ(Aryna Sabalenka、ベラルーシ)とマルタ・コスチューク(Marta Kostyuk、ウクライナ)の試合では、コスチュークがサバレンカとの試合後の握手を拒否してブーイングを浴びた。

 来年のパリ五輪でも、ロシアと同盟国ベラルーシの選手の出場を認めるかが問題になっている。ウクライナの隣国ポーランド出身のシフィオンテクは、両国の五輪参加を支持するかと問われ、「それは私たち選手が決めることではない」と話し、「今はスポーツ界がある種混乱しているから、これ以上は悪化させず、正しい価値観を共有して、侵攻を許さない姿勢をはっきり示すことが何より大切になる」と答えた。(c)AFP