子ども4人、なお生存の可能性 コロンビア飛行機墜落から1か月
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【5月30日 AFP】南米コロンビア軍は29日、アマゾン(Amazon)の密林地帯で1日に墜落した飛行機に搭乗し、行方不明になっている先住民の子ども4人について、まだ生存している可能性があるとの認識を示した。捜索活動は今も続けられている。
行方不明になっているのは生後11か月の乳児、4歳、9歳、13歳のきょうだい。同乗していた母親とパイロット、先住民の指導者は死亡が確認されている。
グスタボ・ペトロ(Gustavo Petro)大統領は17日、4人が発見されたと発表したが、翌日に撤回した。
約320平方キロにおよぶ密林地帯を、兵士約200人と、一帯の地理に詳しい先住民が捜索している。
ジャングルにはジャガーやピューマ、ヘビといった野生動物に加え、麻薬密売の武装集団も潜んでいるため、空軍はヘリと衛星画像を利用し捜索に当たっている。
衛星画像から子どもたちが飛行機の残骸から移動した経路が明らかになっている。捜索隊は、子どもたちの所持品や一時しのぎの避難場所、食べかけの果物などを発見。先週は、靴1足とおむつを見つけている。
空軍はスペイン語と、子どもたちの使用言語である先住民ウイトト(Huitoto)の言葉で「その場から動かないで」との忠告や、サバイバル方法を記したビラ1万枚を空からまいた。食料の包みやペットボトル入りの水も投下している。
捜索に加わっているファウスト・アベジャネダ(Fausto Avellaneda)大佐が28日にテレビ局に語ったところによると、軍は最長3キロ先まで照らす強力なサーチライトを設置。捜索隊は、子どもたちの祖母が呼び掛ける録音音声も流している。
捜索を指揮するペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)将軍は、子どもたちが100メートル以内にいると思われる場所までたどり着いたが、うっそうと茂る樹木や湿地、暴風雨に阻まれ、発見には至らなかったと話した。
ウイトトの人々はジャングルと共生していることで知られ、子どもの頃から狩猟採集技術を学んでいる。(c)AFP