【5月29日 Xinhua News】中国チベット自治区(Tibet Autonomous Region)林業・草原局は、北京大学(Peking University)の郭慶華(Guo Qinghua)氏と呂植(Lv Zhi)氏の研究グループが率いる生物多様性合同調査チームがこのほど、ヤルツァンポ大峡谷国家級自然保護区に位置する同自治区林芝(ニンティ)市波密(ポメ)県通麦鎮で、高さ102・3メートルの巨木を発見したと明らかにした。この発見はアジアの樹高記録を更新し、現在アジアで確認されている最も高い木となった。

 この木があるオオイトスギの巨樹集中生育地域は、西子江生態保護センターの責任者、李成(Li Cheng)氏が発見し、その後、研究者が小型無人機(ドローン)とバックパック型LiDARを使って同地域の正確な測定を行った。測定の結果、1本のオオイトスギの高さが102・3メートルに達していた。研究チームは、この木の精緻な三次元点群データを取得し、胸高直径を293センチと測定したほか、ドローン撮影により巨木全体の写真も撮影できた。

 北京大学教授で山水自然保護センター創設者の呂植氏によると、オオイトスギは主に同自治区南東部に分布し、個体数が少なく、国家1級重点保護植物に指定されている。ここ数年、ヤルツァンポ大峡谷地域では多くの科学研究チームによって巨木の発見が続き、中国の最も高い木の記録更新が続いている。このことは同峡谷地域の森林生態系の真正性と独自性、生物多様性の保全価値をよく表している。

 調査チームは今回、同自然保護区で他にも85メートル以上の巨樹を多数発見した。中には高さ90メートル以上の巨木が25本含まれており、中国だけでなくアジアの樹高記録も大幅に更新した。同保護区は現在、中国さらにはアジアで巨木の樹高と分布密度が最も高い地域となった。(c)Xinhua News/AFPBB News