【5月28日 AFP】エジプト政府は27日、首都カイロの南にあるサッカラ(Saqqara)遺跡で、ミイラ工房2か所と墓2基が発見されたと発表した。

 エジプト考古最高評議会(Egyptian Supreme Council of Antiquities)のムスタファ・ワジリ(Mostafa al-Waziri)事務局長はミイラ工房について、約2400年前の「第30王朝の頃のものだ」と説明した。

 観光・考古省によると、ミイラ製作のため遺体を置いていた石製の作業台が備え付けられた部屋が複数見つかった。台の端には作業用の溝があり、そばには臓器などを保管する陶器のつぼや儀式用の容器が置かれていた。

 別の研究によれば、こうした工房は「神聖な動物のミイラ製作」にも使われたとみられる。

 このほか、紀元前24世紀と紀元前14世紀の神官の墓も発見された。

 うち一つは第5王朝の書記官で、天空の神ホルス(Horus)と正義の女神マアト(Maat)に仕えた神官Ne Hesut Baのもの。サッカラ遺跡のディレクター、ムハンマド・ユセフ(Mohamed Youssef)氏によると、墓の壁には「日常生活や農業、狩りの様子」が描かれていた。

 もう一つの墓は紀元前14世紀の神官、Men Kheberのもので、岩を掘って造られていた。高さ1メートルほどの雪花石こう製の神官の肖像もあった。(c)AFP