【5月28日 AFP】自転車ロードレース、ジロ・デ・イタリア(Giro d’Italia 2023)は27日、第20ステージの個人タイムトライアル(タルビージオからモンテルッサリ、18.6キロ)が行われ、チーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)のプリモシュ・ログリッチ(Primoz Roglic、スロベニア)がステージ優勝。事実上の総合優勝を決め、似たような状況から崩れた3年前のツール・ド・フランス(2020 Tour de France)の雪辱を果たした。

 ログリッチは終盤にマシンのチェーンが外れるトラブルに見舞われながらもステージを制し、イネオス・グレナディアーズ(Ineos Grenadiers)のゲラント・トーマス(Geraint Thomas、英国)から総合トップの座を奪った。最終日前日の個人タイムトライアルは、ログリッチにとって苦い思い出のある展開で、3年前のツールではそこで崩れてUTE(UAE TEAM EMIRATES)のタデイ・ポガチャル(Tadej Pogacar、スロベニア)に優勝を明け渡した。

 しかしこの日は、恐ろしいマシントラブルにも落ち着きを保ち、沿道を埋め尽くしたファンがスロベニア国旗を振り、大歓声を浴びせる中で最後の急坂を力強く登った。最後は力を振り絞って加速すら見せ、44分23秒でフィニッシュラインを切った。

 一方、トップを維持するにはログリッチから26秒以内でゴールする必要があったトーマスだが、ログリッチのマシントラブルの時点で逆に16秒差をつけられていた。そしてトーマスが最後の400メートルを何とか登っている中で、ログリッチの勝利が確実になると、スロベニアとの国境からわずか20キロの山頂フィニッシュに駆けつけたファンも安心した様子を見せた。(c)AFP